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NASキットおすすめ8選 2.5GbE・CPU・メモリ増設で比較

2026-08-29 公開本記事にはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト・楽天アフィリエイト)を含みます。

NASキットは「何ベイか」で選ばれがちです。2ベイと4ベイが並んでいれば、4ベイのほうが上位機に見えます。ドライブを何台入れられるかは、たしかにカタログでいちばん目立つ数字です。

ところが、置いたあとに効いてくるのはベイの数ではありません。体感の速さを決めているのはLANポートです。1GbEのポートは理論値で125MB/s、実測では110MB/s前後で頭打ちになります。HDD1台の連続読み書きで埋まってしまう数字です。ドライブを4台入れてRAIDを組んでも、出口が1GbEのままなら速くはなりません。

しかも、値段の順にLANが速くなるわけではありません。この記事の8台では、5万円台後半の4ベイ機が2.5GbEで、7万円台の4ベイ機は1GbEです。ここでは8台を参考価格の順に並べ、ベイ数・CPU・メモリ・LANポート・M.2スロットの5つで比べます。

目次(10項目)

先に確かめること:PCと家のLANが何Gbpsか

NASの2.5GbEが効くのは、経路の全部が2.5Gbps以上のときだけです。NASが2.5GbEでも、間のルーターやハブが1Gbpsなら、そこで1Gbpsに落ちます。PC側のLANポートが1Gbpsでも同じです。ネットワークは、いちばん遅いところが上限になります。

買う前に3か所を数えます。PC本体のLANポート、机とルーターの間に挟んでいるハブ、そしてルーターのLANポートです。家庭用のルーターは有線ポートが1Gbpsのものがまだ多く、Wi-Fiルーターの比較で見ると、2.5Gbpsの有線ポートを持つ機種は上位の一部に限られます。ここが1Gbpsなら、NASだけ2.5GbEにしても速度は変わりません。

確かめ方はOSごとに違います。macOSは「システム情報」のネットワークで、リンク速度が出ます。Windowsはncpa.cplでアダプターのプロパティを開くか、PowerShellで次を打ちます。

# 有効なネットワークアダプターのリンク速度を並べる
Get-NetAdapter | Format-Table Name, Status, LinkSpeed

ここで1 Gbpsと出るなら、NAS側を2.5GbEにしても意味がありません。逆にPCが2.5Gbps対応なら、NASを1GbEのままにする理由がなくなります。

NASの速さを決めるのは、ベイ数ではなくLANポートです

LANポートの速度をMB/sに直すと、上限がはっきりします。1000Mbpsを8で割ると125MB/s、2.5Gbpsなら312.5MB/sです。UGREENの日本語公式ページも、2.5GbEについて最大312.5MB/秒と書いています。

LANポート理論上限この記事の該当機
1GbE×1125MB/sDH2300 / DS223j
1GbE×2合算250MB/s(1台のPCからは125MB/s)DS423
2.5GbE×1312.5MB/sF2-425 / DXP2800 / F4-425 / TS-433
2.5GbE×2合算625MB/sAS5404T

理論値と実測は近い数字になります。TERRAMASTERは1GbE機であるF4-212の仕様ページに読み込み112MB/s・書き込み110MB/sという値を載せていて、125MB/sの理論値のすぐ下です。いっぽうHDD1台の連続読み書きは、いまどきの3.5インチなら150MB/sから200MB/s台に届きます。つまり1GbEのNASは、ドライブが1台のときからもうLANが足を引っぱっています。

ここで誤解されやすいのが1GbE×2です。ポートが2つあるので合算では250MB/sですが、1台のPCとの1本の転送では125MB/s止まりです。2つのポートを束ねても、増えるのは同時に相手をできる台数のほうです。DS423が4ベイでこの構成なので、大きなファイルを1台のPCと往復させる使い方では、2ベイの1GbE機と体感が変わりません。2.5GbE×2のAS5404Tだけは、SMBマルチチャンネルで1台のPCからも2.5Gbpsを超えられるとASUSTORが説明しています。

なお表のTS-433は、2.5GbEが1つに加えて1GbEをもう1つ持っています。表のセルは速い側だけを書いています。2本目は別のネットワークにつなぐか、管理用に分けるための口です。

CPUがARMかx86かで、動かせるものが変わります

NASを「ファイルの置き場」としてだけ使うなら、CPUの系統は気にしなくて構いません。効いてくるのはコンテナを動かしたくなったときです。ARMのNASでは、arm64向けに配られているイメージしか動きません。個人開発のツールやセルフホストのアプリには、amd64だけで配っているものがまだ多くあります。

そこで8台のCPU型番を系統ごとに振り分け、各社の公式パッケージ一覧を機種名で引いて、コンテナの扱いを3段階に分けました。「そもそも足せない」「動くがarm64のイメージに限られる」「amd64のイメージがそのまま動く」の3つです。

製品名CPU系統コンテナ確認した公式ページ
UGREEN NASync DH2300Rockchip A72+A53 8コアARMそもそも足せないUGREEN Solution & Software
Synology DS223jRealtek RTD1619BARMarm64のイメージに限られるSynology Container Manager
TERRAMASTER F2-425Intel Celeron N5095x86amd64がそのまま動くTOS 6 Docker Manager
UGREEN NASync DXP2800Intel N100x86amd64がそのまま動くUGREEN Solution & Software
TERRAMASTER F4-425Intel Celeron N5095x86amd64がそのまま動くTOS 6 Docker Manager
Synology DS423Realtek RTD1619BARMarm64のイメージに限られるSynology Container Manager
QNAP TS-433Cortex-A55 4コアARMarm64のイメージに限られるQNAP App Center(TS-433)
ASUSTOR AS5404TIntel Celeron N5105x86amd64がそのまま動くASUSTOR Docker Engine

いちばん注意が要るのはDH2300です。UGREENの公式FAQは、DH2300はDockerに正式対応しておらず、DH4300 PlusとDXP系(DXP2800を含む)が対応する、と名指しで書いています。同じNASyncという製品名でも、下の機種にはコンテナの機能そのものがありません。

SynologyのDS223jとDS423は、Container Managerの適用機種一覧に23シリーズとして載っています。QNAPのTS-433も、App CenterをTS-433で絞り込むとContainer Stationが出てきます。どちらも動きますが、CPUがARMなのでイメージの側がarm64に対応している必要があります。「Dockerが動く」と「動かしたいイメージが動く」は別の話です。

逆に言うと、コンテナを前提にしないなら、ARMであることは欠点になりません。写真と書類の置き場、PCのバックアップ先、家庭内の共有フォルダという使い方なら、ARMのNASで足ります。この記事の採点でARMに低い点を付けているのは、あくまで「あとから用途を広げられるか」という軸で見た場合です。

メモリは、増やせる機種と基板直付けの機種があります

NASのメモリは、同時に動かすサービスの数で効いてきます。ファイル共有だけなら1GBでも動きますが、写真の顔認識やコンテナを2つ3つ動かすと足りなくなります。ここで分かれるのが、SODIMMのスロットを持つ機種と、基板に直付けの機種です。

7万円台のDS423が2GB固定である一方、4万円弱のF2-425が16GBまで伸びる、という並びになります。値段ではなく、基板の作りで決まっている差です。あとから足せない機種を選ぶなら、その容量で足りる用途に絞ることになります。

並べ直すとこうなります

製品名ベイ数CPUメモリ最大LANポートM.2スロット
UGREEN NASync DH23002ARM4GB(拡張不可)1GbE×1なし
Synology DS223j2ARM1GB(増設不可)1GbE×1なし
TERRAMASTER F2-4252x8616GB(SODIMM×1)2.5GbE×1なし
UGREEN NASync DXP28002x8616GB2.5GbE×12
TERRAMASTER F4-4254x8616GB(SODIMM×1)2.5GbE×1なし
Synology DS4234ARM2GB(増設不可)1GbE×2なし
QNAP TS-4334ARM4GB(拡張不可)2.5GbE×1なし
ASUSTOR AS5404T4x8616GB(SODIMM×2)2.5GbE×24

TS-433のLANポートは、表の2.5GbE×1に加えて1GbEをもう1つ持っています。速い側だけを書いています。

並べると、値段の順になっていないところが3か所出てきます。

この3つが、NASで「値段の順に良くならない」と言われるところです。ベイ数だけを見て比べると、まず気づけません。

用途から引き当てる

何を置くかで、見る列が変わります。

使い方効いてくる列この記事の該当機
写真と書類の置き場だけベイ数と値段DH2300 / DS223j
PC全体のバックアップ先LANポートF2-425 / DXP2800
コンテナでツールを動かすCPUとメモリ最大F2-425 / DXP2800 / F4-425 / AS5404T
動画素材を直接編集するLANポートとM.2AS5404T
容量を足しながら長く使うベイ数とメモリ最大F4-425 / AS5404T

1行目と3行目では、選ぶ機種が重なりません。安い機種が悪いのではなく、用途の側が違います。

おすすめのNASキット8選

2万円台:いちばん安く始められる2ベイ

独自採点の規則(5項目・各5点)

楽天のレビューは商品によって件数が1件から数百件までばらつき、件数の少ないものは1人の評価で平均が1点以上動きます。楽天側でレビューが消えると数字も黙って変わるので、順位付けには使っていません。代わりに、下の規則でスペックから機械的に点を出しています。記事に載せている表の値をそのまま当てはめているだけなので、読者が検算できます。総合点は5項目の単純平均です。用途によって効く項目が違うので、総合点だけでなく項目ごとの差を見てください。

導入しやすさ
参考価格。3万円未満=5 / 4万5千円未満=4 / 6万円未満=3 / 8万円未満=2 / それ以上=1。ドライブは別売りで、この値段に含まれません
転送の上限
1GbEは実効110MB/s前後で、HDD1台の連続読み書きでも埋まります。1GbE×1=1 / 1GbE×2=2 / 2.5GbE×1=4 / 2.5GbE×2=5
コンテナを動かせるか
CPUの系統。ARM=2(arm64向けのイメージしか動きません) / x86=5(amd64のイメージがそのまま動きます)
後からメモリを増やせるか
公式仕様の最大メモリ容量。2GB未満=1 / 4GB未満=2 / 8GB未満=3 / 16GB未満=4 / 16GB以上=5。基板直付けの機種は標準容量がそのまま上限です
ドライブを足せる余地
ドライブベイの数。2ベイ=2 / 4ベイ=4 / 5ベイ以上=5。RAID 1にすると使える容量は1台ぶんになります

ベイ数・CPUの系統・メモリ最大・LANポートは、記事の比較表に載せている値をそのまま使っています。RAIDの種類・M.2スロットの数・搭載OSは8台ぶんが同じ土俵で揃わないので採点には使わず、本文で扱っています。

3万円台:DSMをいちばん安く試せる

4万円弱:x86と2.5GbEが同時に入る

5万円台前半:M.2スロットが2つ

5万円台後半:4ベイでx86と2.5GbE

7万円台前半:4ベイでDSMが使えるARM機

7万円台後半:4ベイでRAID 5と2.5GbE

8万円台:2.5GbEが2つとM.2が4つ

ドライブは別売りです

ここで挙げた8台はすべてキットで、ドライブは入っていません。本体の値段に、ドライブ代がそのまま上乗せされます。4TBのNAS向けHDDを2台入れれば、本体と同じくらいの金額になることもあります。予算はキット単体ではなく、この合計で見ることになります。

選ぶドライブの性格も効いてきます。RAID 1やRAID 5を組んでいると、1台が壊れたときに残りの台から再構築します。この再構築の間は全台を長時間読み続けるので、そこでもう1台落ちると全部失います。連続稼働を想定した外付けHDDの比較記事で扱っているように、24時間動かす前提の設計かどうかがここで差になります。ドライブは同時に買わず、製造ロットをずらすという考え方もあります。

M.2スロットを持つDXP2800とAS5404Tでは、SSDをキャッシュに回せます。ただしキャッシュが効くのはよく読む同じファイルに対してで、LANの上限を超えることはできません。1GbEのNASにSSDを足しても125MB/sのままです。

24時間動くので、停電対策はセットで考えます

NASは電源を入れっぱなしにする機器です。パソコンと違って、書き込みの途中で電気が切れる場面に何度も出会います。RAIDの書き込み中に電源を失うと、パリティと実データがずれた状態で残ります。次に電源を入れたときの整合性チェックで時間を取られるだけならまだしも、ボリュームごと読めなくなることもあります。

ここを埋めるのがUPSです。停電を肩代わりして動き続けるためではなく、NASに終了処理をさせるための数分を稼ぐ道具だと考えると選びやすくなります。SynologyやQNAPはUSBケーブル1本でUPSを認識し、残量が減ったところで自分から安全に停止します。UPSの比較記事で、出力波形と対応の仕方を扱っています。

置き場所も同じ流れで決まります。NASとUPSは近くに置くことになり、どちらもファンの音が出ます。寝室に置くと音が気になるので、廊下の収納やルーターの近くに寄せる形が現実的です。

まとめ:判断の順番

ベイ数から入ると外します。次の順に決めると絞れます。

  1. PCと家のLANが何Gbpsか。1Gbpsで止まっているなら、NASを2.5GbEにしても速くなりません
  2. コンテナを動かすか。動かすならx86の機種に絞ります。ARMでも動きますが、イメージ側がarm64に対応している必要があります
  3. メモリを増やせるか。基板直付けの機種は、買った時点の容量が一生の上限です
  4. ベイ数。RAID 1にすると使える容量は1台ぶんになるので、必要な容量の2倍を用意することになります
  5. ドライブとUPSを足した合計。キット単体の値段では予算を組めません

なお、この記事の仕様は各社の公式ハードウェア仕様ページとパッケージ一覧に載っている値です。8台を並べて転送速度を実測したものではありません。理論上限のMB/sは、LANポートの規格から計算した数字です。

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