Wi-Fiルーターおすすめ8選 Wi-Fi 7・6GHz帯・有線ポートで比較
Wi-Fiルーターの箱には「AX1800」「BE6500」といった数字と、Wi-Fi 6 / 6E / 7 の世代が書いてあります。ここだけを見て新しいほうを選ぶと、使える帯域がむしろ減ることがあります。
この記事の8台にも実際に出ています。2万円台のWi-Fi 6E機は6GHz帯を持ち、それより高くて世代も新しいWi-Fi 7機は持ちません。ここでは8台を参考価格の順に並べます。
目次(12項目)
先に結論:迷ったらこの3台から
8台を全部読む前に、回線と住環境ごとの答えを置いておきます。見るのは世代の数字ではなく、6GHz帯の有無と有線ポートの速度です。理由と残りの5台は、このあとの表と商品紹介で確かめられます。
| こんな人 | 選ぶなら | 理由 |
|---|---|---|
| 1ギガ回線で、戸建てなど電波が空いている | TP-Link Archer AX1800(参考価格5,980円) | Wi-Fi 6とWPA3に対応し、有線ポートは1Gbpsで1ギガ回線と釣り合います。8台の中でいちばん安い1台です |
| 集合住宅で5GHz帯が混んでいる | バッファロー WSR-5400XE6(参考価格20,481円) | Wi-Fi 6Eのトライバンドで6GHz帯を持ち、有線も2.5Gbpsです。世代が新しいデュアルバンドのWi-Fi 7機より帯域が1つ多くなります |
| 10ギガ回線を契約している | ASUS RT-BE92U(参考価格55,000円) | 8台の中で唯一10Gbpsのポートを持ち、6GHz帯で320MHz幅も使えるWi-Fi 7のトライバンド機です |
「AX1800」「BE6500」は全バンドの合計です
まず数字の読み方です。AX1800は5GHz帯の1201Mbpsと2.4GHz帯の574Mbpsを足したもので、1台の端末がこの速度で通信するという意味ではありません。
端末はどれか1つの帯域につながるので、使えるのはその帯域ぶんだけです。しかも実効の速度は表示値の半分前後になります。合計の数字は、同時に何台つないでも余裕があるか、の目安として見るほうが実態に合います。
Wi-Fi 7でも、6GHz帯が無い機種があります
ここがいちばん紛らわしいところです。Wi-Fi 7の速度を引き上げているのは320MHz幅という広いチャンネルですが、これを使えるのは6GHz帯だけです。5GHz帯には、それだけ連続した空きがありません。
ところがWi-Fi 7をうたう機種には、2.4GHzと5GHzだけのデュアルバンドのものがあります。この場合、6GHz帯が無いので320MHz幅は使えません。Wi-Fi 7の看板は付いていても、速度の上限は5GHz帯の範囲に収まります。
一方、1つ前の世代であるWi-Fi 6Eは、6GHz帯に対応することが定義そのものです。トライバンドのWi-Fi 6E機なら6GHz帯を持ちます。世代が新しいことと、帯域が多いことは別という形になります。
有線ポートの速度は、無線とは別に決まります
もう1つ見落とされるのが有線側です。無線が何Gbpsでも、回線をつなぐWANポートが1Gbpsなら、そこで頭打ちになります。10ギガ回線を契約しても1Gbpsまでです。
PC側も同じで、LANポートが1Gbpsなら有線接続は1Gbpsです。USB-Cドックの有線LANも多くは1Gbpsなので、そちらも合わせて見ることになります。ルーターと機器の間にスイッチングハブを挟んでいるなら、その口が何Gbpsかも同じように効きます。
2.5Gbpsの有線ポートが実際に効いてくるのは、家の中で大きなファイルをやり取りする機器を繋いだときです。代表がNASで、NASキットの比較記事で扱っているように、本体が2.5GbEでも間のルーターが1Gbpsならそこで頭打ちになります。インターネット回線の速度とは別の話です。
並べ直すとこうなります
| 製品 | 参考価格 | 世代 | バンド | 6GHz帯 | 有線ポート |
|---|---|---|---|---|---|
| TP-Link Archer AX1800 | 5千円台 | Wi-Fi 6 | デュアル | なし | 1Gbps |
| バッファロー WSR-3000AX4L | 9千円台 | Wi-Fi 6 | デュアル | なし | 1Gbps |
| TP-Link Archer BE260 | 1万4千円台 | Wi-Fi 7 | デュアル | なし | 2.5Gbps |
| バッファロー WSR-5400XE6 | 2万円台 | Wi-Fi 6E | トライ | あり | 2.5Gbps |
| TP-Link Archer BE6500 | 2万1千円台 | Wi-Fi 7 | デュアル | なし | 2.5Gbps |
| NEC Aterm AM-3000D4AX | 2万3千円台 | Wi-Fi 6 | デュアル | なし | 1Gbps |
| バッファロー WSR6500BE6P | 2万3千円台 | Wi-Fi 7 | デュアル | なし | 2.5Gbps |
| ASUS RT-BE92U | 5万5千円台 | Wi-Fi 7 | トライ | あり | 10Gbps |
バッファローの2機種を見てください。2万円台のWSR-5400XE6(Wi-Fi 6E)は6GHz帯を持ち、3千円ほど高くて世代も新しいWSR6500BE6P(Wi-Fi 7)は持ちません。世代の数字だけで選ぶと、使える帯域が1つ減ります。
Wi-Fi 7にはMLOという、複数の帯域を同時に使う仕組みがあります。デュアルバンド機でもMLOは働くので、Wi-Fi 7に意味が無いわけではありません。ただし320MHz幅は使えない、という区別が要ります。
回線を速くしても、その先が細ければ同じところで止まります。USB-Cケーブルやカードリーダーと同じで、経路のうちいちばん低い上限が全体を決めます。
回線と住環境から引き当てる
契約している回線の速度と、電波の混み具合で決まります。
| 回線と住環境 | 優先する仕様 | この記事の該当機 |
|---|---|---|
| 1ギガ回線・戸建てで電波が空いている | Wi-Fi 6で足りる | TP-Link Archer AX1800 / バッファロー WSR-3000AX4L |
| 1ギガ回線・集合住宅で混んでいる | 6GHz帯 | バッファロー WSR-5400XE6 |
| 10ギガ回線 | 10Gbpsのポート | ASUS RT-BE92U |
| 有線PCを2.5Gbpsで使いたい | 2.5Gbpsのポート | TP-Link Archer BE260 |
どの行でも、契約している事業者の方式名が製品ページに出ているかは別に確認します。
おすすめのWi-Fiルーター8選
5千円台:1ギガ回線までなら足りる
独自採点の規則(4項目・各5点)
楽天のレビューは商品によって件数が1件から数百件までばらつき、件数の少ないものは1人の評価で平均が1点以上動きます。楽天側でレビューが消えると数字も黙って変わるので、順位付けには使っていません。代わりに、下の規則でスペックから機械的に点を出しています。記事に載せている表の値をそのまま当てはめているだけなので、読者が検算できます。総合点は4項目の単純平均です。用途によって効く項目が違うので、総合点だけでなく項目ごとの差を見てください。
- 6GHz帯を持つか
- あり=5 / なし=2。Wi-Fi 7の320MHz幅を使えるのは6GHz帯だけです
- 有線ポートの速度
- 1Gbps=1 / 2.5Gbps=4 / 10Gbps=5。無線がいくら速くてもここで頭打ちになります
- Wi-Fiの世代
- Wi-Fi 6=2 / Wi-Fi 6E=4 / Wi-Fi 7=5
- 導入しやすさ
- 参考価格。6千円未満=5 / 1万2千円未満=4 / 1万8千円未満=3 / 3万円未満=2 / それ以上=1
世代・バンド構成・有線ポートの速度は各社の製品ページによります。実際に出る速度は建物の構造と周囲の電波状況で大きく変わり、各社が比べられる数値で出していないので採点に入れていません。10Gbpsのポートは10ギガ回線を契約していなければ使われないので、回線の契約に合わせて読み替えてください。
9千円台:国内メーカーで設定画面が日本語
1万4千円台:2.5Gbpsでいちばん安い
2万円台:世代は1つ前だが6GHz帯を持つ
2万1千円台:Wi-Fi 7で保証3年
2万3千円台:国内メーカーのメッシュ対応
2万3千円台:Wi-Fi 7だが6GHz帯は無い
5万5千円台:10ギガ回線をそのまま受ける
「IPv6対応」だけでは足りません
日本の光回線では、IPv6のIPoEという接続方式が速度に大きく効きます。従来のPPPoEは網終端装置というところを通り、夜間はここが混雑して速度が落ちます。IPoEはそこを通りません。
問題は、IPoEの方式が事業者ごとに分かれていることです。大きく2つあります。
- MAP-E方式。v6プラス、OCNバーチャルコネクト、IPv6オプションなどがこれにあたります。IPv4への変換を宅内のルーターが行うので、対応したルーターが必須です
- DS-Lite方式。transix、クロスパスなどがこれです。変換は事業者側で行うので、ルーター側の設定は単純になります
ここで起きる買い間違いが、「IPv6対応」とだけ書かれた機種を買って、契約している方式の設定項目が無いというものです。とくにOCNバーチャルコネクトは比較的新しいので、設定項目そのものを持たないルーターがあります。
契約している事業者の方式名を先に確認し、その名前が製品ページに出ているかを見るのが確実です。「IPv6対応」という言葉だけでは、対応しているかどうかを判定できません。
置き場所で変わる範囲は、機種の差より大きくなります
6GHz帯は5GHz帯よりさらに壁を回り込みにくく、周波数が上がるほど直進性が強くなります。そのため置き場所の影響が、機種の差より大きく出ることがあります。
床置きと金属製の棚の中は避けます。電波は上下にも広がるので、床に置くと下向きのぶんが無駄になります。家の中心に近い場所で、床から1メートル以上の高さに置くのが基本です。上位機に買い替える前に、いまの機種の置き場所を変えてみるほうが安く済むことがあります。
2.4GHz帯は5GHz帯より壁を回り込みやすく、離れた部屋でも届きます。家電まわりの小さな機器には2.4GHz帯しか話せないものが多くあります。ルーターが2.4GHzと5GHzを1つのネットワーク名にまとめていると、こうした機器の初期設定でつまずくことがあるので、帯域ごとに名前を分けられるかも見ておくと後で困りません。
そもそも回線工事ができない部屋や、出先で自分の回線を作りたい場合は、据え置きのルーターではなく手持ちのSIMを挿す機械のほうが早く着きます。掴める電波が端末の対応バンドだけで決まるので、選び方の軸もこちらとはまったく変わります。そちらはSIMフリーモバイルルーターの比較で扱いました。持ち歩かずに部屋に置いたままSIMで回線を作るなら、コンセントに挿すだけのSIMフリーホームルーターの比較が近い道具です。出張先のホテルに有線LANやWi-Fiがあるなら、SIMを挿さずにその回線を受けて自分用のWi-Fiに作り直す手もあり、そちらはトラベルルーターの比較で扱っています。
よくある質問
6GHz帯につながるスマホやPCはどれですか
ルーターが6GHz帯を持っていても、端末の側がWi-Fi 6E以降に対応していなければ、6GHz帯にはつながりません。Appleのサポート文書「Apple製デバイスでWi-Fi 6E/Wi-Fi 7ネットワークを利用する」は、対応機種を名指ししています。iPhoneはiPhone 15 Pro・15 Pro Max以降で、iPhone 15・15 Plus・16e・17eは対象外です。MacはMacBook Proが2023年以降、MacBook Airが2024年以降に発売されたモデルです。
Windowsは、Microsoftのサポート文書「Windows でのより高速で安全な Wi-Fi」が、Windows 11と、Wi-Fi 6/6Eに対応した無線LANアダプターを条件に挙げています。手元のPCは、コマンドプロンプトでnetsh wlan show driversを打つと「サポートされている無線の種類」に802.11axと出ますが、これはWi-Fi 6と6Eを区別しません。6GHz帯に対応するかは、PCや無線LANアダプターの仕様で確かめます。端末が1台も対応していないなら、6GHz帯を持つ機種に払うぶんは、いまは使われません。
2.4GHz・5GHz・6GHzのネットワーク名は、まとめるべきですか、分けるべきですか
6GHz帯を使うなら、まとめる側が基本です。同じAppleの文書は、ルーターの2.4GHz・5GHz・6GHzに1つのネットワーク名(SSID)を使う必要があるとしています。名前が分かれていると、iPhoneやMacは5GHz帯へつなぎ直すかを尋ね、そちらを選ぶとWi-Fi 6E/7のメリットは得られなくなります。
一方で、この記事の後半で触れたとおり、2.4GHz帯しか話せない家電まわりの機器は、名前がまとまっていると初期設定でつまずくことがあります。ふだんは1つの名前で使い、そうした機器を設定するときだけ帯域ごとに分けられる機種を選んでおくと、両方に対応できます。
いま何GHz帯でつながっているかは、どこで分かりますか
Windows 11では、Microsoftの同じ文書にあるとおり、「設定」から「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」→ 接続中のネットワークのプロパティを開き、「ネットワーク帯域(チャンネル)」の値を見ます。2つの帯域が並んで出るなら、Wi-Fi 7のMLOで複数の帯域を同時に使っています。
iPhoneやMacでは、Appleの文書によると、Wi-Fi 6E/7のネットワークに接続しているときだけ、そのネットワークの詳細に「Wi-Fi 6Eモード」という項目が出ます。この項目が見えていれば、6GHz帯を使える状態でつながっています。買い替えたのに速くならないときは、まずこの項目が出ているか、つまり6GHz帯を使える状態でつながっているかを確かめます。
まとめ:判断の順番
世代の数字から入ると、帯域が減ることがあります。次の順に決めると絞れます。
- 契約している回線は何Gbpsか。1ギガならWANポートは1Gbpsで足ります。10ギガならここが最優先です
- 集合住宅など、電波が混み合う場所か。混んでいるなら6GHz帯を持つ機種が効きます
- 有線でつなぐPCがあるか。LANポートの速度も無線とは別に見ます
- 世代は最後。Wi-Fi 7でも6GHz帯が無ければ、6Eのトライバンド機のほうが帯域は多くなります
なお、この記事の仕様は各社の製品ページに載っている値です。8台を並べて実測はしていません。実際に出る速度は建物の構造や周囲の電波状況で大きく変わるので、そこを重く見る場合は同じ住環境のレビューを当たってください。