2.5GbEスイッチングハブおすすめ8選 ポート構成・消費電力・保証で比較
スイッチングハブの箱には「2.5G対応」「マルチギガ」と書いてあります。ここだけを見て高いほうを選ぶと、2.5Gbpsで使えるポートがかえって減ることがあります。
この記事の8台にも実際に出ています。1万円弱の8ポート機は8本すべてが2.5Gbpsで、2万6千円台の上位機は9つある口のうち1本しか2.5Gbps以上になりません。ここでは8台を参考価格の順に並べ、ポート構成・速いポートの本数・最大消費電力・保証の4つで比べます。
目次(9項目)
先に確かめること:PCとNASのLANポートが何Gbpsか
ハブは経路の途中に入る機械なので、両端が2.5Gbps以上でなければ2.5Gbpsにはなりません。PCのLANポートが1Gbpsなら、ハブをいくら上等にしても1Gbpsのままです。ネットワークはいちばん遅いところが全体の上限になります。
買う前に3か所を数えます。PC本体のLANポート、つなぐ相手であるNASや作業機のLANポート、そして上流のルーターです。NASキットの比較で扱っているとおり、NAS側を2.5GbEにしても、間に挟むハブが1Gbpsならそこで1Gbpsに落ちます。逆も同じで、ハブだけ2.5Gにしても両端が1Gbpsのままなら何も変わりません。
リンク速度の確かめ方はOSによります。Linuxならethtoolで見られます。
# 有線ポートのリンク速度を見る(デバイス名は環境による)
ethtool enp3s0 | grep Speed
ここでSpeed: 1000Mb/sと返るなら、そのPCは1Gbpsで頭打ちです。macOSは「システム情報」のネットワーク、Windowsはアダプターのプロパティにリンク速度が出ます。
上流のルーターにも別の注意が要ります。Wi-Fiルーターの比較で見たとおり有線ポートが1Gbpsの機種はまだ多く、その場合はハブを2.5Gにしてもインターネット側の速度は変わりません。速くなるのは、ハブの内側で完結するNASとPCのやり取りだけです。ここを取り違えると「ハブを替えたのに回線速度の測定値が変わらない」という結果になります。
「2.5G対応」でも、全ポートが2.5Gとは限りません
製品名や箱の表記は「2.5G対応」「マルチギガ対応」で止まっていることがあります。1本でも2.5Gbps以上のポートがあれば書ける表現なので、残りが1Gbpsでも誤りにはなりません。ここが買い間違いの入口になります。
実際の構成は3系統に分かれます。
- 全ポート同速:5本または8本すべてが同じ速度です。どこに挿しても同じように使えます
- アップリンク型:1Gbpsのポートが並び、そこに10G対応のポートが1本だけ足してあります。速いのはその1本だけです
- 混在型:2.5Gbpsのポートが並び、さらに10Gbpsのポートが別に用意されています。速い側の本数が決まっています
見分けるのは公式ページの内訳です。「8ポート」とだけ書かれていても、内訳が「ギガビット銅線ポート8+アップリンク1」であれば、2.5Gbps以上で使えるのは1本です。この記事のNETGEAR GS108MXがその形で、8ポートと名乗りながら口の数は9つあります。
値段が上がると速いポートが減る、という逆転が起きます
8台の中でいちばんはっきり出るのが次の2台です。1万円弱のエレコム EHC-Q08MA2-HBは2.5Gbpsのポートを8本持ち、2万6千円台のNETGEAR GS108MXは1本しか持ちません。値段は2.6倍ですが、速いポートの本数は8分の1になります。
GS108MXが悪い製品というわけではありません。想定しているのは「1Gbpsの機器がすでに何台もあり、NASや上位のハブへ向かう1本だけを10Gに引き上げたい」という配線です。その用途なら、9つの口のうち1本が速ければ足ります。生涯保証と5.8Wという低い消費電力も、その使い方に合っています。
問題は、この構成が製品名からは読み取れないことです。「2.5GbEのハブが欲しい」と思って探している人の多くは、PCも作業機もNASもまとめて2.5Gbpsでつなぎたいはずです。その用途では、速いポートの本数がそのまま答えになります。
並べ直すとこうなります
| 製品名 | ポート構成 | 速いポートの本数 | 最大消費電力 | 保証 | 参考価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| エレコム EHC-Q05MA2-HB | 全ポート2.5G | 5本 | 5.3W | 1年 | 7千円台 |
| TP-Link TL-SG105-M2 | 全ポート2.5G | 5本 | 12.11W | 5年 | 9千円台 |
| エレコム EHC-Q08MA2-HB | 全ポート2.5G | 8本 | 7.5W | 1年 | 9千円台 |
| ASUSTOR ASW205T | 全ポート2.5G | 5本 | 10W | 2年 | 1万8千円台 |
| NETGEAR MS308-100JPS | 全ポート2.5G | 8本 | 7.98W | 3年 | 1万9千円台 |
| NETGEAR GS108MX | 1Gと10Gの混在 | 1本 | 5.8W | 生涯 | 2万6千円台 |
| TP-Link TL-SX105 | 全ポート10G | 5本 | 21.4W | 5年 | 3万5千円台 |
| バッファロー LXW-10G2/2G4 | 2.5G×4+10G×2 | 6本 | 18.5W | 1年 | 3万9千円台 |
値段の順に読むと、速いポートの本数が5本、5本、8本、5本、8本、1本、5本、6本と上下しています。この列だけは価格と連動していません。消費電力も同じで、いちばん安い5.3Wの機種と、その倍以上を使う9千円台の機種が並びます。
表の値について2つ補足します。NETGEAR MS308-100JPSの保証は、日本の公式ページが「3年間のハードウェア保証」としているので3年を採りました(米国サイトはlifetimeと書いています)。バッファロー LXW-10G2/2G4の最大消費電力は識別用コントロールコードの設定で18.5Wと15.2Wの2つがあり、ここでは最悪値の18.5Wを載せています。
用途から引き当てる
つなぎたい台数と、そのうち何台を速くしたいかで決まります。
| やりたいこと | 優先する仕様 | この記事の該当機 |
|---|---|---|
| 机の周りでPCとNASだけ2.5Gにする | 全ポート2.5Gの5ポート機 | エレコム EHC-Q05MA2-HB / TP-Link TL-SG105-M2 |
| 家じゅうの機器をまとめて2.5Gに上げる | 全ポート2.5Gの8ポート機 | エレコム EHC-Q08MA2-HB / NETGEAR MS308-100JPS |
| 1Gの機器が多く、NASへの1本だけ速くする | 10Gのアップリンク1本 | NETGEAR GS108MX |
| 動画素材を10Gでやり取りする | 10G対応ポートの本数 | TP-Link TL-SX105 / バッファロー LXW-10G2/2G4 |
| 電源を入れっぱなしにする | 最大消費電力の低さ | エレコム EHC-Q05MA2-HB / NETGEAR GS108MX |
どの行でも、つなぐ機器の側が何Gbpsのポートを持っているかは別に確認します。
おすすめの2.5GbEスイッチングハブ8選
7千円台:5ポート全部が2.5Gで、電気もいちばん使わない
独自採点の規則(5項目・各5点)
楽天のレビューは商品によって件数が1件から数百件までばらつき、件数の少ないものは1人の評価で平均が1点以上動きます。楽天側でレビューが消えると数字も黙って変わるので、順位付けには使っていません。代わりに、下の規則でスペックから機械的に点を出しています。記事に載せている表の値をそのまま当てはめているだけなので、読者が検算できます。総合点は5項目の単純平均です。用途によって効く項目が違うので、総合点だけでなく項目ごとの差を見てください。
- 速いポートの本数
- 2.5Gbps以上で使えるポートの数。8本以上=5 / 5〜7本=4 / 4本=3 / 2〜3本=2 / 1本=1
- 遅いポートが混ざっていないか
- 全ポート10G=5 / 全ポート2.5G=5 / 2.5G×4+10G×2=4 / 1Gと10Gの混在=2
- 電気代のかかりにくさ
- 公式スペックの最大消費電力。8W未満=5 / 12W未満=4 / 16W未満=3 / 25W未満=2 / それ以上=1
- 保証の長さ
- 生涯=5 / 5年=5 / 3年=4 / 2年=3 / 1年=2。点は整数で出しているので、生涯保証と5年保証は同じ点になります
- 導入しやすさ
- 参考価格。8千円未満=5 / 1万2千円未満=4 / 2万円未満=3 / 3万円未満=2 / それ以上=1
ポート構成・速いポートの本数・最大消費電力・保証は、記事の比較表に載せている値をそのまま使っています。消費電力は各社の公式スペックの最大値で、バッファロー LXW-10G2/2G4 は設定によって15.2Wになりますが、最悪値の18.5Wで採点しました。NETGEAR MS308-100JPS の保証は、日本の公式ページに出ている3年を採っています(米国サイトはlifetimeと書いています)。ファンの有無・ジャンボフレームの上限・ループ検知の有無は8台ぶんが同じ土俵で揃わないので、採点には使わず本文と商品カードで扱っています。
9千円台:保証5年の5ポート機
9千円台:8ポート全部が2.5Gで1万円弱
1万8千円台:NASメーカーが出している5ポート機
1万9千円台:8ポート全2.5Gで保証3年
2万6千円台:1Gの島に10Gのアップリンクを1本足す
3万5千円台:5ポートすべてが10G
3万9千円台:2.5Gが4本に10Gを2本足す
スイッチング容量を足し算で検算すると、選ぶ材料にならないと分かります
各社は公式スペックに「スイッチング容量」「スイッチングファブリック」という値を出しています。25Gbps、40Gb/s、100Gbpsといった数字で、大きいほど良さそうに見えます。この数字が何を表しているのか、8台ぶんを手で検算しました。
計算はポート速度の合計を2倍するだけです。全二重なので1本のポートは送りと受けを同時に行えます。2.5Gbpsのポートが5本なら、2.5×5×2で25Gbpsです。
| 製品 | 公式値 | ポート速度の合計×2 | 一致 |
|---|---|---|---|
| EHC-Q05MA2-HB | 25.0Gbps | 2.5×5×2=25 | 一致 |
| TL-SG105-M2 | 25Gbps | 2.5×5×2=25 | 一致 |
| EHC-Q08MA2-HB | 40.0Gbps | 2.5×8×2=40 | 一致 |
| ASW205T | 25Gbps | 2.5×5×2=25 | 一致 |
| MS308-100JPS | 40Gb/s | 2.5×8×2=40 | 一致 |
| GS108MX | 36Gb/s | (1×8+10)×2=36 | 一致 |
| TL-SX105 | 100Gbps | 10×5×2=100 | 一致 |
| LXW-10G2/2G4 | 60Gbps | (2.5×4+10×2)×2=60 | 一致 |
8台とも公式値と一致しました。この数字はポート一覧を足し算し直しただけのもので、新しい情報を1つも持っていません。GS108MXの公式データシートは36Gb/sをnon-blockingと明記していますが、それも「全ポートが同時に上限で通信しても詰まらない」という当たり前の設計を言い直したものです。
選ぶ材料にならないだけでなく、大きい数字が良い機種を指すとも限りません。GS108MXの36Gb/sは25Gbpsの5ポート機より大きい値ですが、2.5Gbps以上で使えるポートは1本だけです。この記事の独自採点がスイッチング容量ではなく速いポートの本数を軸にしているのは、そのためです。
ここに書いた8行は、各社の公式ページを開いて同じ足し算をすれば読者の手元で確かめられます。カタログの数字を疑う手間としては、掛け算2回ぶんで済みます。
ケーブルとポートが両側で揃っていないと2.5Gになりません
ハブを替えても速くならないとき、残っている原因は2つです。
1つはケーブルです。2.5GBASE-TはIEEE 802.3bzで規定されていて、既設のCAT5eでも100mまで通るように作られています。2.5Gにするだけなら、ケーブルを買い直す必要はほとんどありません。ただし10GBASE-Tは条件が変わり、100mを見込むならCAT6A以上が要ります。10Gのポートを持つ機種を選ぶときだけ、ケーブルも一緒に見ることになります。
もう1つはPC側のポートです。2.5GbEのLANポートを内蔵しているノートPCはまだ少数で、多くはUSB接続のアダプタで足すことになります。ここでUSB-Cドックに任せると、内蔵の有線LANが1Gbpsのものが多いため、せっかくのハブが1Gbpsで止まります。ドックとは別に2.5GbEのアダプタを用意するほうが確実です。
速さが揃うと、機器の置き方のほうも変わります。手元のPCからLAN内の小さなサーバーに入って設定ファイルを直す往復が軽くなるので、VPSとSSHでVim環境を1か所にまとめる構成を、外部のVPSではなく家の中のマシンで組む選択肢が出てきます。
まとめ:判断の順番
「2.5G対応」の表記から入ると、速いポートが1本の機種を掴みます。次の順に決めると絞れます。
- 2.5Gbps以上でつなぎたい機器は何台か。その台数がそのまま必要な速いポートの本数になります
- 公式ページのポート内訳を読む。「8ポート」ではなく「2.5Gが8」なのか「1Gが8+アップリンク1」なのかを確かめます
- 両端のLANポートを数える。PCと相手側が1Gbpsなら、ハブを替えても何も変わりません
- 10Gは必要な本数だけ。全ポート10Gの機種は消費電力も値段も跳ね上がります
- スイッチング容量は見なくてよい。ポート構成から計算し直しただけの数字です
なお、この記事の仕様は各社の公式製品ページに載っている値です。8台を並べて転送速度を実測したものではありません。消費電力は公式が出している最大値で、実際の値はつないだ本数とリンク速度によって変わります。