ラベルライターおすすめ8選 パソコン接続・Mac対応・テープ幅で比較
ラベルライターは、テープに文字を印刷して貼る道具です。LANケーブルの両端やHDDのベイに名前を貼っておくと、あとから触るときに迷いません。
買う前に決めることが1つあります。パソコンで作った内容をそのまま刷りたいのか、スマホのアプリで打ち込むので足りるのかです。ここが値段の順に並んでいません。5千円台の機種にパソコン用の口が無いのは分かりやすいのですが、1万2千円台の機種にも無く、9千円の機種には付いています。
ここでは8台を参考価格の順に並べます。
目次(10項目)
先に確かめること:パソコンから刷りたいのか、スマホでいいのか
ラベルライターの仕様表には「対応OS」という欄があります。ここに Windows や macOS が並んでいない機種は、パソコンからは1枚も印刷できません。スマホのアプリ専用機です。
スマホ専用でも困らない用途は多くあります。テンプレートの文字を差し替えるだけなら、アプリのほうが速いこともあります。困るのは、貼りたい内容がすでにパソコンの中にある場合です。台帳からコピーして貼りたい、連番を振りたい、という段になるとスマホ側では手打ちになります。
先に決めておくのは次の3つです。
- 刷る内容がパソコンの中にあるか。あるならUSBを持つ機種に絞られます
- そのパソコンはMacか。Macだと使えるソフトが変わる機種があります
- 貼る場所の幅はどれくらいか。テープ幅の上限は機種によって12mmから36mmまで開きます
パソコンとのつなぎ方は3系統に分かれます
8台のつなぎ方は3つに分かれます。
- 口が1つも無いもの。本体のキーボードで打ち込みます。外の機器とはつながりません
- Bluetoothだけのもの。相手はスマホとタブレットです。パソコンとはつながりません
- USBを持つもの。ここで初めてパソコンから刷れます
間違えやすいのが2番目です。Bluetoothはパソコンにも載っている無線なので、仕様表に「Bluetooth」と書いてあればパソコンからもつながりそうに見えます。実際には各社ともスマホ・タブレット向けのアプリしか用意しておらず、公式の対応OSにも iOS と Android しか並びません。
逆向きの注意もあります。ブラザーの PT-P710BT は USB と Bluetooth の両方を持ちますが、公式ページには「パソコンとの接続は付属のUSBケーブルをお使いください。Bluetooth接続はできません」と書かれています。両方を持つ機種でも、パソコン側はUSB専用ということがあります。
できることの範囲も、つなぎ方で分かれます。PT-P710BT の公式仕様では、連番印刷にパソコンからのみという注記が付きます。一方でバーコードは、パソコンからも、スマホ・タブレットから別のアプリを使っても印刷できると書かれています。パソコン専用の機能とそうでない機能が混ざっているので、仕様表は機能ごとに注記を読むことになります。
対応OSは値段の順に広がりません
ここがこの記事の軸です。8台を値段の順に並べて対応OSを追うと、途中で1回狭くなります。
- 参考価格 ¥5,967 のブラザー PT-P300BT:公式仕様のインターフェースは Bluetooth Ver5.0 のみで、対応は iOS と Android です
- 参考価格 ¥9,000 のカシオ KL-SP100:USB と Bluetooth low energy を持ち、Windows・macOS・iOS・Android の4つに対応します
- 参考価格 ¥12,500 のキングジム SR-MK1:公式仕様のインターフェイスは Bluetooth 接続のみで、対応は iOS と Android です
9千円の機種がパソコンから刷れて、1万2千円台の機種は刷れません。SR-MK1 が値段を使っているのは通信ではなく印刷ヘッドのほうで、360dpi・256dot は9千円の機種の200dpiより細かく刷れます。同じ筐体でUSBを足した後継の SR-MK2 も出ているので、テプラでパソコンから刷りたいならそちらを見ることになります。
値段はヘッドの細かさやテープ幅の上限にも配られていて、通信手段はそれとは別に決まっています。高いほうがつながる、という関係にはなっていません。
「本体がMac対応」と「Macでソフトが使える」は別の話です
対応OSの欄に macOS があっても、Windows と同じことができるとは限りません。連番やバーコードを作るのはラベル作成ソフトのほうなので、そのソフトが Mac にあるかどうかで結果が変わります。
| 製品 | 本体の対応OS | Windows向けソフト | macOS向けソフト | Macでの制限 |
|---|---|---|---|---|
| カシオ KL-SP100 | Windows/macOS/iOS/Android | LABEL DESIGN MAKER | LABEL DESIGN MAKER | 同じソフトです |
| ブラザー PT-P710BT | Windows/macOS/iOS/Android | P-touch Editor | P-touch Editor | 同じソフトです |
| ブラザー PT-P910BT | Windows/macOS/iOS/Android | P-touch Editor | P-touch Editor | 同じソフトです |
| キングジム SR5900P | Windows/macOS/iOS/Android | テプラ クリエイター(日本語Windows 11/10専用) | TEPRA LINK 2(スマホと同じ) | カットラベルが使えません |
いちばん高い SR5900P だけ、Windows と macOS で別のソフトになります。フル機能の「テプラ クリエイター」は公式に日本語版 Windows 11/10 専用と書かれていて、macOS に回ってくるのはスマホ・タブレットと同じ「TEPRA LINK 2」です。その TEPRA LINK 2 には、カットラベルとカットラベル・パンドウイットが使えないという案内も付いています。このソフトが動くのは macOS・iOS・Android なので、Mac から刷るときはこの2つが落ちます。
3社とも本体は4つのOSに対応していますが、パソコン向けのソフトを Windows と Mac の両方に用意しているのはブラザーとカシオです。Mac から刷る前提なら、この段で候補が変わります。
並べ直すとこうなります
| 製品 | 参考価格 | パソコン接続 | 対応OS | 最大テープ幅 | 印刷解像度 |
|---|---|---|---|---|---|
| ブラザー PT-P300BT | 5千円台 | Bluetoothのみ | iOS/Android | 12mm | 180dpi |
| カシオ KL-SP10 | 6千円台 | Bluetoothのみ | iOS/Android | 18mm | 200dpi |
| キングジム SR170 | 6千円台 | 非対応 | なし(本体入力) | 18mm | 180dpi |
| カシオ KL-SP100 | 9千円台 | USB/Bluetooth | Windows/macOS/iOS/Android | 24mm | 200dpi |
| ブラザー PT-P710BT | 1万2千円台 | USB/Bluetooth | Windows/macOS/iOS/Android | 24mm | 180dpi |
| キングジム SR-MK1 | 1万2千円台 | Bluetoothのみ | iOS/Android | 24mm | 360dpi |
| キングジム SR5900P | 2万1千円台 | USB/有線LAN/無線LAN | Windows/macOS/iOS/Android | 36mm | 360dpi |
| ブラザー PT-P910BT | 2万5千円台 | USB/Bluetooth | Windows/macOS/iOS/Android | 36mm | 360dpi |
3列目と4列目が値段の順に並んでいません。4行目でいったんパソコンにつながり、6行目でまた外れます。テープ幅と解像度のほうは、おおむね値段の順に上がっています。
用途から引き当てる
| やりたいこと | 必要な条件 | この記事の該当機 |
|---|---|---|
| パソコンの台帳から連番で刷る | USBを持つこと | カシオ KL-SP100 / ブラザー PT-P710BT / PT-P910BT / キングジム SR5900P |
| Macから刷る | Mac向けのラベルソフトがあること | カシオ KL-SP100 / ブラザー PT-P710BT / PT-P910BT |
| スマホだけで完結させる | Bluetoothで足りること | ブラザー PT-P300BT / カシオ KL-SP10 / キングジム SR-MK1 |
| 機器を持たずその場で打つ | 本体にキーボードがあること | キングジム SR170 |
| 36mm幅の大きなラベルを貼る | テープ幅36mm対応 | キングジム SR5900P / ブラザー PT-P910BT |
| 複数人で1台を共有する | 有線LANか無線LAN | キングジム SR5900P |
1行目と3行目は別の道具です。値段の上下では選べません。
おすすめのラベルライター8選
5千円台:スマホ専用で12mm幅まで
独自採点の規則(5項目・各5点)
楽天のレビューは商品によって件数が1件から数百件までばらつき、件数の少ないものは1人の評価で平均が1点以上動きます。楽天側でレビューが消えると数字も黙って変わるので、順位付けには使っていません。代わりに、下の規則でスペックから機械的に点を出しています。記事に載せている表の値をそのまま当てはめているだけなので、読者が検算できます。総合点は5項目の単純平均です。用途によって効く項目が違うので、総合点だけでなく項目ごとの差を見てください。
- 導入しやすさ
- 参考価格が7,000円未満なら5点、10,000円未満なら4点、13,000円未満なら3点、20,000円未満なら2点、それ以上は1点とします。本体を買ったあともテープを買い続ける道具なので、最初の1台では効いてくる項目です
- つなぎ方の広さ
- 比較表のパソコン接続。USB/有線LAN/無線LAN=5 / USB/Bluetooth=4 / USBのみ=3 / Bluetoothのみ=2 / 非対応=1。Bluetoothだけの機種は相手がスマホとタブレットに限られ、パソコンからは刷れないので2点止まりにしています
- 使えるOSの広さ
- 比較表の対応OS。Windows/macOS/iOS/Android=5 / iOS/Android=2 / なし(本体入力)=1。公式の対応OS欄と、対応アプリの配布先(App Store・Google Play)から数えていて、本体がつながるかどうかの話です。対応OS欄そのものを置いていないメーカーがあるので、その場合は専用アプリがどこで配られているかを見ています。Macでソフトの機能が狭くなる件は別の項目にはしていないので、本文の表と合わせて見てください
- 貼れる幅の上限
- 比較表の最大テープ幅。36mm=5 / 24mm=4 / 18mm=3 / 12mm=2。上限なので、細いテープはどの機種でも使えます。6mm幅に管理番号を貼るだけなら差は出ません
- 文字の細かさ
- 比較表の印刷解像度。360dpi=5 / 200dpi=4 / 180dpi=3。細いテープに2段で日本語を入れるときに効きます。1段しか刷らないなら180dpiでも足ります
参考価格・パソコン接続・対応OS・最大テープ幅・印刷解像度は、記事の比較表に載せている値をそのまま使っています。印刷速度・カッターの種類・電源の取り方(ACアダプタ同梱か別売か、乾電池で動くか)は採点に入れていません。8台ぶんを同じ物差しの数字で書けなかったのと、用途によって要不要がはっきり分かれるためで、そこは本文と商品カードに任せています。テープの規格(TZe・PROテープ・XR)も互換が無いので重要ですが、優劣の付く項目ではないので点にしていません。
6千円台:18mm幅を200dpiで刷れるスマホ専用機
6千円台:本体のキーボードだけで完結する
9千円台:USBを持ち4つのOSに対応する
1万2千円台:パソコンからだけ連番と高解像度が使える
1万2千円台:360dpiでもパソコンにはつながらない
2万1千円台:有線LANと無線LANで共有できる
2万5千円台:36mm幅を360dpiで刷れる
6mm幅テープに管理番号は入るのか
LANケーブル1本ずつに番号を貼るなら、太いテープは要りません。6mm幅か9mm幅で足ります。ここで効いてくるのが印刷解像度です。
dpi はインチあたりのドット数なので、1mmあたりに直すと dpi ÷ 25.4 になります。180dpi で約7.09ドット、200dpi で約7.87ドット、360dpi で約14.17ドットです。
この換算が実際に合っているかは、キングジムの公式値で確かめられます。同社は最大印刷可能幅とヘッドのドット数を両方公開しているので、掛け算の答え合わせができます。
- SR170:最大印刷可能幅13.5mm・180dpi。13.5 × 7.09 = 95.7 で、公式のヘッド構成は96dotです
- SR-MK1:最大印刷可能幅18.1mm・360dpi。18.1 × 14.17 = 256.5 で、公式は256dotです
- SR5900P:最大印刷可能幅27.1mm・360dpi。27.1 × 14.17 = 384.0 で、公式は384dotです
3機種とも一致するので、この換算はそのまま使えます。
6mm幅テープの印字可能な高さは、機種ごとの公式値が見つかりませんでした。テープの上下に余白が要ることから4mm前後になりますが、これは推測なので断定はしません。仮に4mmとして計算すると次の数字になります。
- 180dpi:約28ドット
- 200dpi:約31ドット
- 360dpi:約56ドット
日本語のフォントは16×16ドットが読める下限とされています。1段で刷るなら180dpiでも足ります。2段にすると1段あたりが半分になるので、180dpiでは14ドットを切って漢字がつぶれます。360dpiなら2段でも1段あたり24ドット以上残るので、上段に機器名、下段にポート番号という貼り方ができます。
半角の英数字なら事情が変わります。8×16ドットで足りるため、180dpiの28ドットでも2段に割れます。「SW01-P12」のような管理番号だけを貼るなら、解像度は決め手になりません。日本語を2段で入れたくなったときに初めて360dpiが効いてきます。
配線とHDDに貼るなら、テープの種類も先に見ておく
本体を買うと、そのあとはテープを買い続けます。ここは本体の値段より長く効いてきます。
貼る相手で選ぶ種類が変わります。LANケーブルを何本もまとめて敷くと、見た目が同じなのでどれがどれか分からなくなります。ケーブルには巻き付けて使うテープがあり、細い丸い面でも端が浮きにくくなっています。
スイッチングハブの本体にポート番号を貼るなら、平らな面なので普通の強粘着テープで足ります。抜き差しのたびに触る場所ではないので、薄いテープのほうが収まります。
NASのベイに貼るなら、ドライブのシリアル番号を入れておくと交換のときに迷いません。上段にベイ番号、下段にシリアルの下6桁、という2段の貼り方をしたくなる場所なので、前の節の計算がそのまま効いてきます。
貼るのではなく紙に刷りたい、という用事はここから外れます。A4の書類を白黒でまとめて出すならモノクロレーザープリンターの比較のほうが目的に合います。本体を買ったあとに消耗品を買い続ける点はテープと同じで、あちらは箱に入っているトナーが約700ページしかない機種があります。
テープの規格は各社で互換がありません。ブラザーはTZe、キングジムはPROテープ、カシオはXRです。本体を買い替えると手持ちのテープが使えなくなるので、社を替えるときはテープごと入れ替わると考えておきます。
まとめ:判断の順番
「ラベルライターがほしい」から入ると、値段の順に見て外します。次の順に決めると絞れます。
- 刷る内容がパソコンの中にあるか。あるならUSBを持つ機種に絞ります。Bluetoothだけの機種はスマホ専用です
- そのパソコンはMacか。Macならブラザーかカシオが素直です。テプラの上位機はWindows向けソフトだけ機能が広くなります
- 貼る場所の幅。12mmで足りるのか、24mmや36mmが要るのかで候補が半分に分かれます
- 2段で刷るか。6mm幅に日本語を2段で入れるなら360dpiの機種になります
- テープの規格。買い替えると手持ちのテープが使えません
なお、この記事の仕様は各社の製品ページと公式マニュアルに載っている値です。8台を並べて実測はしていません。印刷の速度とカッターの切れ味は8台ぶんを同じ物差しで書けなかったので、独自採点にも入れていません。