SDカードリーダーおすすめ8選 UHS-II対応・2スロット・USB-Cで比較
SDカードリーダーは、どれも同じような形の小さな箱です。値段も千円台から数千円まで。そのぶん適当に選んでしまいがちですが、ここが遅いとカードの性能は出ません。
いちばん多い買い間違いが、高いUHS-IIのカードを買ったのに、リーダーがUHS-Iで速度が3分の1のままというものです。挿さるので気づけません。ここでは8台を参考価格の順に並べます。
目次(13項目)
先に結論:迷ったらこの3台から
8台を全部読む前に、手持ちのカードごとの答えを置いておきます。決め手はリーダーの値段ではなく、カードがUHS-IかUHS-IIかです。理由と残りの5台は、このあとの表と商品紹介で確かめられます。
| こんな人 | 選ぶなら | 理由 |
|---|---|---|
| 持っているカードがUHS-Iだけ | Anker USB-C 2-in-1 カードリーダー(参考価格1,250円) | UHS-Iまでで理論上限は104MB/sですが、UHS-Iのカードならそれで足ります。SDとmicroSDの両方に挿せて、8台の中でいちばん安い1台です |
| UHS-IIのSDカードを使っている | UGREEN SD 4.0 UHS-II カードリーダー(参考価格2,617円) | UHS-II対応で理論上限は312MB/sと、UHS-Iの約3倍です。本体から出ている短いケーブルでUSB-Cにつなぎ、SDとmicroSDの2枚を同時に認識します |
| SDとmicroSDを2枚同時に扱う | ProGrade Digital PGM0.5(参考価格4,505円) | SDとmicroSDの両方のスロットがUHS-IIに対応し、2枚を同時に扱えるダブルスロットです。同時に認識するだけなら、約半額のサンワサプライ ADR-5TCMSD2BK(参考価格2,470円)やUGREEN SD 4.0(参考価格2,617円)でもできます |
UHS-IIには2列目のピンがあります
UHS-IとUHS-IIは、カードの裏側の端子の数が違います。UHS-Iは1列、UHS-IIは2列目のピンが追加されています。この2列目のピンを使うことで、転送の帯域が広がります。
- UHS-I。バスの上限は104MB/s
- UHS-II。バスの上限は312MB/s。UHS-Iのおよそ3倍です
ここが問題になるのは、UHS-IIのカードはUHS-Iのリーダーにも挿さるという点です。形は同じなので入りますが、2列目のピンに接点がないので、UHS-Iとして動きます。エラーも警告も出ません。「思ったより遅い」という感想だけが残ります。
「V30」は最低速度であって、最高速度ではありません
カードに書いてあるV30・V60・V90は、ビデオ速度クラスです。動画を撮るときに最低でもこの書き込み速度を保つ、という保証で、読み出しの最高速度とは別のものです。
V30と書いてあるカードにもUHS-Iのものと UHS-IIのものがあります。読み出しの速さを見たいなら、VではなくUHS-IかUHS-IIかを見ます。
速度は3つの上限のうち、いちばん低いところで決まります
実際に出る速度を決めているのは、次の3つのうちいちばん低いものです。
- カード側。UHS-Iなら104MB/s、UHS-IIなら312MB/sが上限
- リーダー側。同じくUHS-Iか UHS-IIか
- PCのポート側。USB 2.0なら480Mbps(毎秒60MB前後)で頭打ち
3つ目を見落としがちです。UHS-IIのカードとUHS-IIのリーダーを揃えても、挿したポートがUSB 2.0なら60MB/s前後で止まります。UHS-Iより遅くなることさえあります。USB-Cケーブルを間に挟む場合も同じで、ケーブルが480Mbpsのものなら同じ結果になります。
並べ直すとこうなります
| 製品 | 参考価格 | 対応バス | 理論上限 | スロット |
|---|---|---|---|---|
| エレコム USB-A 3-in-1 | 1千円台 | UHS-I | 104MB/s | SD + microSD + CF |
| Anker USB-C 2-in-1 | 1千円台 | UHS-I | 104MB/s | SD + microSD |
| エレコム MR3C-C20ESV | 1千円台 | UHS-I | 104MB/s | SD + microSD |
| サンワサプライ ADR-5TCMSD2BK | 2千円台 | UHS-II | 312MB/s | SD + microSD(同時) |
| UGREEN SD 4.0 | 2千円台 | UHS-II | 312MB/s | SD + microSD(同時) |
| ソニー MRW-S1 | 4千円台 | UHS-II | 312MB/s | SDのみ |
| ProGrade Digital PGM0.5 | 4千円台 | UHS-II | 312MB/s | SD + microSD(同時) |
| SanDisk PRO-Reader SD Express | 1万6千円台 | SD Express / UHS-I | SD Expressのカードで312MB/s超、UHS-IIのカードは104MB/s | SD + microSD |
ここで効いてくるのは、1千円台と2千円台の間に、104MB/sと312MB/sという3倍の差があることです。1,200円ほどの差でしかありません。1万円を超えるUHS-IIのカードを使うなら、ここを削る理由がありません。
逆に、持っているカードがUHS-Iしかないなら、1千円台で足ります。リーダーだけをUHS-IIにしても速度は変わりません。
なお、カードから読み出したデータの置き場も同じ考え方になります。外付けSSD側が遅ければ、リーダーが速くてもコピーはそこで待たされます。上限がいちばん低いところで決まるのは、この経路でも変わりません。
手持ちのカードから引き当てる
リーダーの値段ではなく、いま持っているカードで決まります。
| 手持ちのカード | 必要な対応 | この記事の該当機 |
|---|---|---|
| UHS-Iだけ(V30など) | UHS-Iで足りる | Anker USB-C 2-in-1 / エレコム MR3C-C20ESV |
| UHS-II(V90など) | UHS-II必須 | UGREEN SD 4.0 / サンワサプライ ADR-5TCMSD2BK |
| SDだけ・カメラ用 | UHS-II / SD専用でよい | ソニー MRW-S1 |
| SDとmicroSDを同時に扱う | 2スロット同時認識 | ProGrade Digital PGM0.5 / サンワサプライ ADR-5TCMSD2BK |
1行目に当てはまるなら、UHS-IIのリーダーを買っても速度は変わりません。
おすすめのSDカードリーダー8選
1千円台:USB-Aしか無いPC向け
独自採点の規則(3項目・各5点)
楽天のレビューは商品によって件数が1件から数百件までばらつき、件数の少ないものは1人の評価で平均が1点以上動きます。楽天側でレビューが消えると数字も黙って変わるので、順位付けには使っていません。代わりに、下の規則でスペックから機械的に点を出しています。記事に載せている表の値をそのまま当てはめているだけなので、読者が検算できます。総合点は3項目の単純平均です。用途によって効く項目が違うので、総合点だけでなく項目ごとの差を見てください。
- 対応バス
- UHS-I=2(上限104MB/s) / SD Express / UHS-I=2(SD Expressのカードは速いが、UHS-IIには対応せず、UHS-IIのカードはUHS-Iの速度で動く) / UHS-II=5(上限312MB/s)。UHS-IIのカードはUHS-Iのリーダーにも挿さるので、挿せることは対応を意味しません
- スロット
- SD + microSDで同時に使える=5 / SD + microSD=4 / SDのみ=2
- 導入しやすさ
- 参考価格。1,500円未満=5 / 3千円未満=4 / 4,500円未満=3 / 6千円未満=2 / それ以上=1
対応バスとスロット構成は各社の製品ページによります。理論上限はSDの規格で決まっている値です。実際に出る速度はカードとPCのポートにも左右されるので、リーダー単体の点数は「上限を塞がないか」を見ているにすぎません。放熱や筐体の作りは各社が比べられる数値で出していないので入れていません。
1千円台:UHS-Iのカード用
1千円台:ケーブル付きで挿しやすい
2千円台:UHS-IIで2スロット
2千円台:UHS-IIをケーブル付きで2枚同時に
4千円台:SD専用で作りが厚い
4千円台:2枚を同時に扱える
1万6千円台:SD Expressに備える(UHS-IIは非対応)
microSDのUHS-IIは、SDより選択肢が少なくなります
UHS-IIはmicroSDにもありますが、SDに比べて種類がずっと少なくなります。対応するリーダー側も同じで、SDだけUHS-IIでmicroSD側はUHS-Iという構成のリーダーがあります。
この記事のProGrade Digital PGM0.5(ダブルスロット)は両方のスロットがUHS-II対応ですが、2スロットあることと、両方が同じバスに対応していることは別です。microSDで速度を出したい場合は、スロットごとの対応を製品ページで確かめることになります。
「V90」と書いてあるカードは、実質的にUHS-IIです
ビデオ速度クラスとUHS-IIには、間接的な関係があります。V90は最低書き込み速度90MB/sを保つという意味ですが、UHS-Iのバス上限は104MB/sしかありません。ここに読み出しも同居するので、V90をUHS-Iで成立させるのは現実的ではありません。
そのため実際に売られているV90のカードはUHS-IIです。逆にV30やV60はUHS-Iのものが多く残っています。V90と書いてあればUHS-IIのリーダーが要る、と読み替えられます。
次の規格はSD Expressです
UHS-IIの次にSD Expressという規格があります。これはPCIeとNVMeという、SSDで使われている仕組みをそのままSDカードに持ち込むもので、バスの上限が桁で変わります。
注意したいのは、SD ExpressのリーダーがUHS-IIに対応するとは限らないことです。この記事のSanDisk PRO-Reader SD Expressは、製品ページの互換性の欄がSD Express・microSD Express・UHS-Iで、UHS-IIの記載がありません。UHS-IIのカードを挿すとUHS-Iの速度(上限104MB/s)で動きます。UHS-IIのカードを使っているなら、2千円台のUHS-IIのリーダーのほうが速く読めます。
またカードもリーダーもまだ数が少なく、対応する機器も限られます。いま買うならUHS-IIが現実的な上限になります。将来SD Expressに移るときはリーダーごと買い替えになるので、ここで高いリーダーを選ぶ理由は薄くなります。
もう1つ、カードから吸い出したデータを持ち歩く場面では、入れ物の側も気にすることになります。SDカードそのものは暗号化の仕組みを持たないので、落とせば挿した相手にそのまま読まれます。中身を守ったまま運ぶなら、機器の側で暗号化と解錠を行うハードウェア暗号化USBメモリに移すことになります。
よくある質問
SDカードスロットのあるMacなら、リーダーは要りませんか
機種によります。Appleのサポート文書「Mac の SD および SDXC カードスロットを使う」によると、スロットがUHS-IIに対応しているのは、2022年以降のMac Studio、2021年以降のMacBook Pro、2020年発売のiMac、iMac Proだけです。2011年から2015年のMacBook Proなど、それより前のスロットはUHS-Iまでなので、UHS-IIのカードを挿してもUHS-Iの速度で動きます。
UHS-IIに対応したスロットを持つMacで、使うのがSDカードだけなら、リーダーを足す理由はほとんどありません。同じ文書は、microSDのような小さいカードにはアダプタが要るとしているので、microSDを頻繁に使うならリーダーのほうが手間は減ります。
UHS-IIのカードとリーダーをそろえれば、いつも312MB/sで読めますか
312MB/sはバスの上限で、読み出しがいつもその速度になるわけではありません。規格をまとめているSD Associationの解説(Bus Speed)によると、UHS-IIは2列目のピンで2本の経路を持ち、送りと受けを同時に行う全二重では156MB/s、2本を同じ向きにそろえる半二重で312MB/sになります。
その上で、カード自身の読み出し速度がこれより低ければそちらで止まり、挿したポートがUSB 2.0なら60MB/s前後で止まります。速度を見積もるときは、バスの312MB/s・カードの箱に書かれた読み出し速度・ポートの3つのうち、いちばん低い値を答えにします。
カードを抜くときに、取り出しの操作は要りますか
要ります。Appleの同じ文書は、カードのアイコンをゴミ箱にドラッグして取り出し、アイコンが消えてから抜くよう案内しています。Macがスリープしている間に抜くと、データが消失するおそれがあるとも書いています。
リーダーを使う場合も、PCから見ればUSBにつながった外部ドライブなので、同じように取り出しの操作をしてから抜きます。撮影データの吸い出しが終わってすぐ抜く場面がいちばん危ないので、コピーの完了と取り出しの完了を分けて確かめる習慣にしておきます。
まとめ:判断の順番
リーダーの値段から入ると、合っていない組み合わせになります。次の順に決めると絞れます。
- 手持ちのカードがUHS-IかUHS-IIか。カードの裏のピンが1列か2列かで分かります
- UHS-Iしか持っていないなら1千円台で足ります。リーダーだけ上げても変わりません
- 挿すポートがUSB 3.0以上か。USB 2.0のポートに挿すと全部が無駄になります
- microSDも使うか。SD専用の機種があるので、変換アダプタを持ち歩くかどうかで分かれます
なお、この記事の理論上限はSDの規格で決まっている値で、各社の製品ページに載っている対応バスから引いたものです。8台を並べて実測はしていません。実際に出る速度はカードの個体差やファイルの大きさでも変わるので、そこを重く見る場合は実機のレビューを当たってください。