USB-Cケーブルおすすめ8選 240W・40Gbps・映像出力の違いで比較
USB-Cのケーブルは、どれも同じ形をしています。ところが中身は給電・データ転送・映像出力の3つが別々に決まっていて、片方だけ対応しているものが普通に売られています。
いちばん多い買い間違いが、240W対応と書いてあるケーブルを買ったのに外付けSSDが遅い、モニターにつないでも映らないというものです。数字が大きいのは給電の話で、データと映像はまったく別に決まります。ここでは8本を参考価格の順に並べます。
目次(12項目)
先に結論:迷ったらこの3本から
8本を全部読む前に、つなぐ相手ごとの答えを置いておきます。給電のW・データの速度・映像出力は別々に決まるので、充電だけなら安いもので足り、SSDやモニターにつなぐなら40Gbpsと映像出力の明記を見ます。理由と残りの5本は、このあとの表と商品紹介で確かめられます。
| こんな人 | 選ぶなら | 理由 |
|---|---|---|
| スマホの充電にしか使わない | Anker 310 (1.8m)(参考価格990円) | 60W・480Mbpsで、スマホの充電にはこれで足ります。1.8mあり、机の下の電源から届きます |
| 充電もSSDもモニターも1本で済ませたい | UGREEN USB4 (1m)(参考価格1,885円) | 240W・40Gbps・8K映像出力の3つがそろい、この構成ではこの8本でいちばん安い価格です |
| ドックやSSDまで2m離れていて、40Gbpsを落としたくない | Cable Matters アクティブ TB4 (2m)(参考価格7,299円) | 信号を増幅する回路を入れたアクティブ方式で、2mでも40Gbpsを保ちます。Intelの認証を取得しています |
同じUSB-Cでも、中身は3つが別々に決まります
各社の製品ページに載っている値を並べます。給電のWが大きいからデータも速い、ということにはなっていません。
| 製品 | 参考価格 | 給電 | データ転送 | 映像出力 |
|---|---|---|---|---|
| Anker 310 (1.8m) | 千円前後 | 60W | 480Mbps | 非対応 |
| Anker PowerLine III Flow (0.9m) | 1千円台 | 100W | 480Mbps | 非対応 |
| UGREEN USB4 (1m) | 1千円台 | 240W | 40Gbps | 8K対応 |
| Belkin USB4 | 2千円台 | 240W | 20Gbps | 4K/60Hz |
| Anker 765 (1.8m) | 4千円台 | 240W | 480Mbps | 非対応 |
| Belkin Thunderbolt 4 | 4千円台 | 100W | 40Gbps | 8K対応 |
| Cable Matters アクティブ TB4 (2m) | 7千円台 | 100W | 40Gbps | 8K対応 |
| Apple Thunderbolt 4 Pro (1.8m) | 2万円台 | 100W | 40Gbps | HBR3対応(解像度の記載なし) |
値段の順に良くなっていないところが3か所あります。
- 1千円台のUGREENは40Gbps、4千円台のAnker 765は480Mbps。給電はどちらも240Wで同じですが、データ転送の速度は約83倍違います。高いほうが遅いという形です
- 2千円台のBelkinは20Gbpsで、1千円台のUGREENのちょうど半分。どちらも規格名は同じ「USB4」です
- 2万円台のApple純正は給電が100Wまで。1千円台のUGREENの240Wを下回ります
480Mbpsが何を意味するか
480MbpsはUSB 2.0の速度です。実効で毎秒40MB前後になるので、1GBのファイルを移すのに30秒近くかかります。40Gbpsのケーブルなら1秒未満です。
スマホの充電にしか使わないなら、480Mbpsで困ることはありません。問題になるのは、外付けSSDをつないだときです。SSD側が10Gbpsや40Gbpsに対応していても、ケーブルが480Mbpsなら480Mbpsで頭打ちになります。ケーブルは箱から出すと見分けが付かないので、遅い原因がケーブルだと気づくまでに時間がかかります。
給電の側でも同じことが起きます。モバイルバッテリーが100Wを出せても、ケーブルが60Wまでならそこで止まります。本体だけを強くしても変わりません。
映像は「対応と書いてあるか」でしか判別できません
映像を通すにはDisplayPort Alt Modeという仕組みが要ります。ケーブルの外見にも端子の形にも出ないので、製品ページに映像出力の記載があるかどうかで見るしかありません。
Anker 765の製品ページには「データ転送及び充電にのみ対応し、映像出力には対応しておりません」と書かれています。240Wという数字だけを見て買うと、モニターにつないだときに何も映りません。モバイルモニターをUSB-C 1本で使いたい場合は、ここが最初の関門になります。
つなぐ相手から引き当てる
ケーブルは用途ごとに別のものを買うほうが安く済みます。1本ですべてをまかなう必要はありません。
| つなぐ相手 | 必要な仕様 | この記事の該当機 |
|---|---|---|
| スマホの充電だけ | 60W / 480Mbps で足りる | Anker 310 |
| ノートPCの充電だけ | 100W以上 / データは不問 | Anker PowerLine III Flow / Anker 765 |
| 外付けSSDやドック | 40Gbps | UGREEN USB4 / Apple Thunderbolt 4 Pro |
| モニターへ映像を出す | 映像出力に対応と明記 | UGREEN USB4 / Belkin USB4 |
1行目と2行目は、データが480Mbpsでも困りません。困るのは3行目と4行目です。
おすすめのUSB-Cケーブル8選
千円前後:充電だけと割り切る
独自採点の規則(4項目・各5点)
楽天のレビューは商品によって件数が1件から数百件までばらつき、件数の少ないものは1人の評価で平均が1点以上動きます。楽天側でレビューが消えると数字も黙って変わるので、順位付けには使っていません。代わりに、下の規則でスペックから機械的に点を出しています。記事に載せている表の値をそのまま当てはめているだけなので、読者が検算できます。総合点は4項目の単純平均です。用途によって効く項目が違うので、総合点だけでなく項目ごとの差を見てください。
- 給電の上限
- 最大出力W。100W未満=2 / 240W未満=3 / 240W=5
- データ転送の速さ
- 公表されている転送速度。480Mbps=1 / 20Gbps=3 / 40Gbps=5
- 映像を通せるか
- 映像出力への対応。非対応=1 / 4K/60Hz=3 / 映像出力への対応だけが書かれ、解像度の記載が無い=3 / 8K対応=5
- 導入しやすさ
- 参考価格。1,200円未満=5 / 2千円未満=4 / 3千円未満=3 / 1万円未満=2 / それ以上=1
給電W・データ転送速度・映像出力の対応は各社の製品ページによります。USB-IFの認証の有無は、製品ページから確認できたものとできなかったものがあるので採点に入れていません。ケーブルの実測もしていません。
1千円台:100Wまで出せる充電用
1千円台:240W・40Gbps・8Kが全部そろう
2千円台:USB4だが20Gbps版
4千円台:240Wだが480Mbpsで映像も出ない
4千円台:Thunderbolt 4なので40Gbpsが確実
7千円台:2mでも40Gbpsを保つアクティブ
2万円台:純正だが給電は100Wまで
USB4とThunderbolt 4は同じではありません
紛らわしいのがこの2つです。USB4には20Gbps版と40Gbps版があり、Thunderbolt 4は40Gbpsが必須という関係になっています。つまりThunderbolt 4と書いてあれば40Gbpsが保証されますが、USB4と書いてあるだけでは半分の可能性があります。
この記事のBelkinとUGREENはどちらもUSB4で、20Gbpsと40Gbpsに分かれています。規格名ではなく、Gbpsの数字を見るのが確実です。
60Wを超えるケーブルには必ずチップが入っています
USB-CのケーブルにはeMarkerという小さなチップを入れられます。ケーブル自身が「自分は何Aまで流せるか」を機器に伝えるためのもので、これが無いと機器側は安全側に倒して電流を絞ります。
数字で言うと、eMarkerの無いケーブルは20V・3Aの60Wまでです。100W(20V・5A)や240W(48V・5A)を通すには、eMarkerが入っていることが条件になります。
ここから逆算できることがあります。「100W対応」「240W対応」と書いてあるケーブルには、必ずeMarkerが入っています。つまりその表記からは、給電の能力だけが分かります。データの速度や映像への対応は、eMarkerの有無とは別に決まるので、Wの数字からは読み取れません。
長いケーブルほど、速度を保つのが難しくなります
40Gbpsのような速い信号は、ケーブルが長くなるほど減衰します。そのため長いものでは、途中に信号を増幅する回路を入れたアクティブケーブルになります。回路が入るぶん価格が上がり、対応する機器も限られます。
回路の入っていないパッシブケーブルで40Gbpsを保てるのは短いものだけです。速度を優先するなら短いものを選ぶ、というのがケーブル選びの原則になります。給電だけが目的なら長くても問題は出ません。
よくある質問
手元のケーブルが何に対応しているか、見た目で見分けられますか
USB-IFの認証を通ったケーブルなら、コネクタの根元のロゴで分かります。USB-IFの「USB Type-C Cable Logo Usage Guidelines」は、認証を受けるUSB-C to USB-Cケーブルに、データの速度と給電のWを示すロゴをコネクタの覆いへ刻印か印刷で入れることを求めています。たとえば20Gbpsで20V・3Aに対応するケーブルなら「20Gbps/60W」です。
注意が要るのは480Mbpsのケーブルで、ロゴには240Wや60WのようにWだけが入り、データの速度は書かれません。Wだけのロゴなら480Mbpsと読めます。Thunderbolt 4のケーブルは、Appleの「Apple Thunderbolt Proケーブルについて」のとおり、コネクタのスリーブにThunderboltのロゴが付きます。ただしこのロゴを使えるのは認証を通ったケーブルだけなので、何も書かれていないケーブルは見た目では判別できません。用途ごとに分けて、ラベルを付けておくのが確実です。
iPhone 15以降につなぐなら、どのケーブルが要りますか
充電とふつうの同期だけなら、付属のケーブルで足ります。Appleの「iPhoneのUSB-Cコネクタで充電および接続する」によると、付属のUSB-CケーブルはUSB 2の速度で、iPhone 15 Pro以降のProモデルが持つ最大10Gbit/秒のUSB 3.2 Gen 2を使うには、10Gbit/秒に対応したUSB 3準拠のケーブルを別に用意します。外付けディスプレイにつなぐ場合も、USB 3.1以上に対応したケーブルを使うよう案内されています。
この記事の8本では、480MbpsのAnker 310・PowerLine III Flow・Anker 765の3本は、付属のケーブルと同じUSB 2の速度にとどまり、映像も出ません。Proモデルで写真や動画を外付けSSDに移すなら、20Gbps以上と書かれた残りの5本から選びます。
Thunderbolt 4のケーブルは、Thunderboltの無いUSB-C機器にも使えますか
使えます。Appleは同じ文書で、Thunderbolt 4 ProケーブルがThunderbolt 4・Thunderbolt 3・USB 4の最大40Gbpsと、USB 3.2 Gen 2の最大10Gbpsに対応し、USB-Cの機器も接続・充電できると書いています。給電は最大100Wです。
実際に出る速さは、つないだ機器がどの規格に対応しているかで決まるので、機器の仕様も合わせて確かめるよう書かれています。逆向きの組み合わせには注意が要ります。Appleは、同社のUSB-C充電ケーブルはデータが480Mbps(USB 2.0)に限られ、映像出力に対応しないと明記しています。Thunderboltの機器やモニターに、充電用のケーブルを流用しないでください。
まとめ:判断の順番
Wの数字から入ると外します。次の順に決めると絞れます。
- 映像を通すか。モニターにつなぐなら、映像出力に対応と書いてあるものに限られます。ここで8本のうち3本が外れ、5本が残ります
- データを流すか。外付けSSDやドックをつなぐなら40Gbpsを見ます。スマホの充電だけなら480Mbpsで足ります
- 何Wが要るか。ノートPCなら100W以上、スマホだけなら60Wで足ります
- 長さ。40Gbpsを保てる長さには上限があり、長いものほど選択肢が減ります
なお、この記事の数値は各社の製品ページに載っている値です。8本を実測はしていません。USB-IFの認証を取得しているかどうかも製品ページから確認できたものと、できなかったものがあります。確実さを優先するなら、認証の有無を明記している製品を選んでください。