USBシリアル変換ケーブルおすすめ8選 D-sub9・RJ45・TTLとチップで比較
参考価格8,197円のラトック RS-USB602FCは最大230Kbpsで、2,782円のサンワ USB-CVRS9HNは最大921.6kbpsです。RJ45のコンソールケーブルでも、3,969円のCable Mattersが250Kbps、2,449円のDSD TECHが921.6kbpsと、安いほうの数字が上に来ます。
ただ、この数字で選ぶ場面はあまりありません。CiscoのスイッチのコンソールはCisco自身の文書で9600bpsが標準で、Raspberry Piのシリアルコンソールの設定例は115,200bpsです。どちらも8本の最低の230Kbpsに収まるので、速度はどれでも足ります。
買い直しになるのは差し口の形を間違えたときです。同じ「USBシリアル」の名前で、D-sub9(RS-232C)、RJ45(コンソール)、TTL(3.3V)の3系統が売られていて、形も電圧も違います。先に相手の機器の差し口を確かめてから、8本を接続先・USB端子・最大速度・チップ・ケーブル長で比べます。
目次(10項目)
RJ45のスイッチ、D-sub9の古い機器、基板のUARTで1本ずつ
3本を分けているのは相手の差し口の形で、どれかが別の用途の代わりになることはありません。
| こんな人 | 選ぶなら | 理由 |
|---|---|---|
| スイッチやルーターのRJ45コンソールに入りたい | DSD TECH SH-RJ45A(参考価格2,449円) | RJ45の3本でいちばん安く、FTDI FT232RLの搭載と921.6Kをメーカーが公表しています。1.8mあります |
| UPSや業務機器のD-sub9につなぎたい | サンワサプライ USB-CVRS9HN(参考価格2,782円) | D-sub9の3本でいちばん安く、対応OSにWindows 11が載っています。対応機種はWindows搭載パソコンでMacは載っていません。長さは0.3mなので機器のそばで使います |
| Raspberry Piなどの基板のUARTを読みたい | DTECH FT232RL 3.3V(参考価格1,999円) | TTL 3.3VでFT232RL搭載と書かれたケーブルで、この8本でいちばん安く、1.8mあります |
差し口の形を見れば、3系統のどれかは決まります
買う前に見るのは、ケーブルの商品ページではなく相手の機器の背面です。LANの差し口と同じ形で「CONSOLE」と書かれていればRJ45の系統です。台形で9本のピンか穴が2列に並ぶ金属の口ならD-sub9で、RS-232Cと書かれていることが多いはずです。基板の上のピン列に「TX」「RX」「GND」とあればTTLの系統です。
D-sub9は、形が合っても向きで止まることがあります。サンワのUSB-CVRS9HN、アイ・オー・データのUSB-RSAQ7R、ラトックのRS-USB602FCは、D-sub9の3本ともケーブル側がオスだと公表していて、アイ・オー・データの仕様ページは、相手がD-sub9のメス以外なら変換コネクターを別に買うよう案内しています。相手もオスなら、そのままでは挿さりません。もう1つは配線で、相手がパソコンと同じ向きの機器ならストレートではつながらず、クロスの変換が要ります。どちらを使うかは相手の機器の説明書に書かれています。
画面が出る機器なら、シリアルにこだわる理由はありません。HDMIを持つサーバーを離れた場所から触りたいならIP-KVMの比較にある機種のほうが手に合います。シリアルの出番は、スイッチやUPSのようにもともと画面を持たない機器と、映像を出す前の段階で止まる基板です。
RS-232Cは最大で±25V、TTLは3.3Vや5Vで、1と0の高低も逆です
D-sub9とTTLは、どちらも同じ手順で文字を送るシリアル通信ですが、電気の中身が別物です。SparkFunのシリアル通信の解説によると、RS-232Cの信号はふつう-13Vから13Vの間で振れ、規格上は±3Vから±25Vまで許されています。TTLは0Vから電源電圧(3.3Vや5V)の間です。1と0に対応する高低も、両者で逆になっています。
つまりRS-232CのケーブルをTTLのピンへ直接つなぐと、基板を壊すおそれがあります。同じ解説も、TTLの機器をRS-232Cに直接つなぐことはできないと書いています。RJ45のコンソールケーブルも、中身はRS-232Cと同じ系統の信号を流す機器向けで、基板のピンにつなぐものではありません。
基板側の話をもう少しすると、Raspberry Piの公式ドキュメントは、GPIOは3.3Vで動き5Vには耐えないと明記しています。基板そのものを選ぶときはシングルボードコンピュータの比較を見てください。この記事のTTLの2本はどちらも3.3Vの信号で、Raspberry Piのような3.3VのUARTに合わせて選びました。
8,197円が230K、2,449円が921.6K、接続先とチップの一覧
列はこの5つです。対応OSは機種ごとに書き方がそろわないので、商品紹介の中で触れます。
| 製品(参考価格) | 接続先 | USB端子 | 最大速度 | チップ | ケーブル長 |
|---|---|---|---|---|---|
| DTECH FT232RL 3.3V(1,999円) | TTL 3.3V | USB-A | 3M | FTDI FT232RL | 1.8m |
| DSD TECH SH-RJ45A(2,449円) | RJ45 | USB-A | 921.6K | FTDI FT232RL | 1.8m |
| サンワ USB-CVRS9HN(2,782円) | D-sub9 | USB-A | 921.6K | 記載なし | 0.3m |
| Cable Matters 201065(3,969円) | RJ45 | USB-C | 250K | FTDI FT232RQ | 約1.8m |
| StarTech ICUSBROLLOVR(4,203円) | RJ45 | USB-A | 460.8K | Prolific PL2303GC | 1.8m |
| FTDI TTL-232R-3V3(4,809円) | TTL 3.3V | USB-A | 3M | FTDI FT232RQ | 1.8m |
| アイ・オー USB-RSAQ7R(7,860円) | D-sub9 | USB-A | 921.6K | Prolific PL2303GT | 1m |
| ラトック RS-USB602FC(8,197円) | D-sub9 | USB-C | 230K | FTDI製 | 約0.85m |
最大速度の3MはTTLの値で、921.6K以下はRS-232Cやコンソールの値です。信号が違うので、3Mのケーブルが921.6Kのケーブルの上位というわけではありません。アイ・オーのケーブル長は添付のUSBケーブルの長さで、本体側はType-Bの口です。ラトックは全長の公称値です。Cable Mattersの約1.8mは公称の6フィートを換算しました。
同じ接続先の中で最大速度を比べます。RJ45は2,449円が921.6Kで、4,203円が460.8K、3,969円が250Kです。D-sub9は2,782円と7,860円が同じ921.6Kで、8,197円が230Kです。D-sub9で7,860円と8,197円の2本に増えるのは、ラトックのUSB-Cの直結と、2本ともWindows Serverまで載っている対応OSの一覧です。チップの型番はDTECHやDSD TECHのような安い品でも公表されていて、ラトックは型番を出していないので、値段の差にはなっていません。
USB-Cだけのノートやチップの型番で選ぶなら
接続先が決まったあとは、手元のパソコンと、調べる手間をどこまで減らしたいかで残りが絞れます。
| あなたの条件 | 見るところ | 当てはまる製品 |
|---|---|---|
| USB-CだけのノートからRJ45へ入る | USB端子の列 | Cable Matters 201065 |
| USB-CだけのノートからD-sub9へ入る | USB端子の列 | ラトック RS-USB602FC |
| 買う前にチップの型番まで知りたいD-sub9 | チップの列 | アイ・オー USB-RSAQ7R |
| メーカーのデータシートで3.3Vを確かめたい | データシート | FTDI TTL-232R-3V3 |
Cisco互換かどうかで絞る必要はRJ45の3本にはありません。DSD TECHの製品ページとStarTechのデータシートはCisco互換を明記し、Cable Mattersの商品ページは「Cisco-Style」のロールオーバーと書いています。
2千円弱のTTLから8千円台のUSB-C直結まで、差し口とチップを1本ずつ
2千円未満:基板のUART用に3.3V TTLを1本置いておく
独自採点の規則(5項目・各5点)
総合点は5項目(値段・チップの明示・最大速度・取り回し・USB-C直結)の単純平均です。レビュー点を採点に使わない理由と、総合点の読み方は制作・運営ポリシーに書いています。
- 値段
- 参考価格。2千円未満=5 / 4千円未満=4 / それ以上=2。4千円以上の4本に、同じ接続先でいちばん安い品より最大速度が上のものはありません
- チップの明示
- 比較表のチップ。型番まで公表=5 / メーカー名のみ=4 / 記載なし=2。型番が分かれば、ドライバーを探す手がかりになります
- 最大速度
- 比較表の最大速度。921.6K以上=5 / 230K以上921.6K未満=4。コンソールの一般的な115,200bpsはどちらでも足りるので、差は1点だけです。TTLの3MとRS-232Cの921.6Kは信号が違いますが、同じ段に入れています
- 取り回し
- 比較表のケーブル長。0.5m未満=2 / 0.5m以上1.5m未満=4 / 1.5m以上=5。短いと機器のそばにパソコンを置くことになります
- USB-C直結
- 比較表のUSB端子。USB-C=5 / USB-A=3。USB-Aは、USB-CだけのノートPCでは変換が別に要るぶんを引いています
接続先は採点に入れていません。接続先が違えば代わりにならないので、点は同じ接続先の製品の中で比べてください。値はすべて比較表と商品カードに載せたもので、8本を実測したものではありません。StarTech、アイ・オー、ラトックの参考価格は楽天、ほかはAmazonから取得した値です。
D-sub9やRJ45には使えない、基板専用のケーブルです。メーカーの同系統の製品ページでチップ・電圧・速度を確かめました。同じページによるとVCCは5Vなので、信号が3.3VでもVCCはRaspberry Piにつなぎません。ただしそのページの品は4ピンで、ここに載せたAmazonの品は商品名が6ピンです。ピン数だけはAmazonの表記に頼っているので、届いたら結線の前に並びを見てください。
2〜3千円:RJ45とD-sub9の入門は、型番で仕様を追える2本
公式の対応OSはWindows 10までで、Windows 11の記載はありません。Windows 11で動かないとまでは言えませんが、メーカーが案内している範囲からは外れます。なお公式の仕様は長さを「1.8M/5.9 inch」と書いていて、inchはfeetの誤記と読んで1.8mとしました。
8本で唯一、チップの記載が見当たりません。サンワの製品ページの対応機種はWindows搭載(DOS/V)パソコン、対応OSはWindows 11/10/8.1/8で、Macは載っていません。0.3mは短いので、ラックの奥の機器まで引き回すならUSBの延長が別に要ります。同じシリーズには1mのUSB-CVRS9HN-10もあり、値段と点はこの記事の0.3mの品のものです。
3〜5千円:USB-C直結、Prolific搭載、チップメーカー製の3本
RJ45の3本で唯一のUSB-Cです。250Kbpsは201065と202065の共通の説明書に載っている値で、対応OSは説明書が7/8/10、商品ページが10で、どちらにもWindows 11の記載はありません。この製品が201065に当たることは、Amazonの商品名がUSB-CとRJ45で一致していることからの判断で、Amazon上の型番を直接確かめたものではありません。
データシートの1枚に、Cisco互換のロールオーバー結線、PL2303GCの搭載、最大460.8Kbpsがまとまっています。RJ45の3本でProlificのチップはこの1本だけで、DSD TECHより高く、公表の最大速度はその半分です。
同じ3.3V TTLのDTECHの2倍以上の値段を払って手に入るのは、チップメーカー自身のデータシートです。信号は3.3VでもVCCのピンは5Vなので、3.3Vの基板のピンにつなぐと壊すおそれがあります。FTDIの公式ページは取得できず、現行品かどうかは確かめられていません。
5千円以上:Windows Serverまで対応を書いた国内メーカーの2本
仕様ページの対応OSはWindows 11/10、Windows Server 2019/2016、macOS 10.14〜10.15です。macOSは10.15で止まっているので、新しいMacで使う前提なら別の製品を見たほうが安全です。本体の口はUSB Type-Bで、添付の1mのケーブルをパソコンのUSB-Aにつなぎます。
D-sub9の3本で唯一のUSB-Cで、全長は約85cmです。製品ページの対応OSにはWindows 11/10、Windows Server 2025/2022/2019、Androidなどが並びます。FTDIの記載はAndroid用ソフトウェアの節にあって「FTDI製」までで、型番は書かれていません。
届いたケーブルのチップをlsusbと/dev/ttyUSB0で確かめる
チップが公表されていないサンワの品でも、USBのベンダーIDを見れば、どのメーカーのチップかの見当が付きます。公開のUSB IDリストでは、FTDIが0403、Prolificが067bです。Linuxなら、挿して次のコマンドを打ちます。
lsusb
sudo dmesg | tail -n 20
ls /dev/ttyUSB*
lsusbの行のIDの左側がベンダーIDで、FT232なら0403:6001のように出ます。IDの右側は製品ごとに違うので、PL2303の新しい世代は別の番号になります。dmesgにはドライバーの認識とデバイス名が出て、1本目なら/dev/ttyUSB0です(Linuxカーネルの文書にFTDIとPL2303のドライバーが載っています)。macOSでは/dev/cu.で始まる名前が増え、Windowsではデバイスマネージャーの「ポート(COMとLPT)」にCOM番号が出ます。
接続は、Linuxではscreenかtioです。115200 8N1は速度115,200bps、データ8ビット、パリティなし、ストップ1ビットの意味です。
screen /dev/ttyUSB0 115200
tio -b 115200 /dev/ttyUSB0
ls /dev/cu.*
最後の行はmacOSでデバイス名を探すもので、見つけた名前をscreenに渡します。tioは何も指定しないと115200 8N1で開きます。抜けるときは、screenがCtrl-a k、tioがCtrl-t qです。Debian系のLinuxで権限のエラーが出たら、自分のユーザーをdialoutグループに入れます。手元のmacOSでscreenが標準で入っていること、ls /dev/cu.*が動くこと、システムの中にFTDI用のドライバー(AppleUSBFTDI)があることは確かめました。8本のケーブルをつないで試したわけではないので、機種ごとの使い勝手は書いていません。
よくある質問
Windows 11で動きますか
メーカーが対応OSにWindows 11を書いているのは、この8本ではサンワ、アイ・オー、ラトックの3本を確かめました。DSD TECHの公式の一覧はWindows 10までで、Cable Mattersは説明書(7/8/10)にも商品ページ(10)にもWindows 11の記載がありません。StarTechとTTLの2本は、この記事では対応OSを確かめていません。
PL2303の古い世代がWindows 11で動かない、という話はMicrosoftのコミュニティで報告されています。ただしこれは利用者の投稿で、Prolific自身の文書は確かめられていないので、ここでは断定しません。この記事のProlificの2本はGCとGTで、古い世代の話とは型番が別です。中古や型番の分からない品を買うときは気にしておく価値があります。
RJ45のコンソールは手持ちのLANケーブルで代用できますか
できません。コンソールの差し口はLANと同じ形でも、流れているのはEthernetではなくシリアルの信号です。この記事のケーブルはUSBとシリアルを変換する部品を中に持っていますが、LANケーブルの中にはその部品が無いので、パソコンのLANの口とつないでも通信できません。
配線は1通りではありません。Ciscoのコンソール接続の文書は、間に挟むアダプターの組み合わせによって、ピンの順が逆になるロールオーバーと両端の順番が同じストレートを使い分けています。一般的なLANケーブルはストレートで、結線が合う組み合わせはあっても、変換の部品が無いケーブル1本では入れません。同じ8ピンのRJ45でも、機器によってはCiscoと違うピン配置のものがあるので、Cisco以外の機器は説明書の配列を見てから買ってください。
Raspberry PiのピンにTTLケーブルをどうつなげばいいですか
つなぐのは3本で、ケーブルのTXを基板のRX、ケーブルのRXを基板のTX、GND同士です。VCCはつなぎません。この記事のTTLの2本(DTECHとFTDI)はどちらもVCCが5Vで、Raspberry Piの公式ドキュメントは、GPIOは5Vに耐えず、直接加えるとSoCを壊すことがあると警告しています。
ピンは40ピンヘッダーの8番と10番(GPIO 14と15)です。config.txtの文書によると、config.txtのenable_uart=1とcmdline.txtのconsole=serial0,115200を組み合わせるとシリアルコンソールができます。
つないでも文字化けするか、何も出ません
最初に疑うのは速度です。Ciscoの機器はコンソール接続の文書で9600bpsが標準とされ、同じ文書は8データビット、パリティなし、1ストップビットを案内しています。ここで115200のまま開くと、文字化けするか何も出ません。Linuxサーバーやネットワーク機器は機種ごとに既定値が違うので、説明書の値に合わせます。
速度が合っていて何も出ないなら、TTLではTXとRXの入れ違い、D-sub9ではストレートとクロスの取り違え、RJ45ではAUXの口に挿していないかを見ます。Ciscoの文書も、コンソールの口であることとクロスケーブルでないことの確認を挙げています。
相手の差し口を見てからチップと端子を決める
速度の数字から入らず、次の順に絞ると買い直しが減ります。
- 相手の差し口を見る。RJ45、D-sub9、基板のピンのどれかで、この記事では2〜3本に絞られます
- 相手の速度と結線を説明書で確かめる。Cisco互換か、D-sub9がストレートかクロスか、オスかメスかを見ます
- 手元のパソコンの端子と対応OSを見る。USB-Cだけならこの記事ではCable Mattersとラトックの2本が直結できます
- チップの公表を条件にするか決める。型番を出している品はTTLが1,999円、RJ45が2,449円、D-sub9が7,860円からで、公表のないサンワも届いてからLinuxの
lsusbで見られます - 長さを確かめる。0.3mのサンワは機器のそばで使う前提です
この記事の仕様は各社の公式ページ、データシート、説明書に載っている値で、Amazonの商品名を根拠にした箇所はその都度書きました。8本をそろえて実測したものではありません。参考価格は掲載時点の値で、StarTech、アイ・オー、ラトックは楽天、それ以外はAmazonから取得しています。