Web会議ヘッドセットおすすめ8選 マイク・USBレシーバー・認定で比較
Web会議用にヘッドセットを買うとき、多くの人はノイズキャンセリングと音質を見ます。ところが会議で効いてくるのは別のところで、PCとどうつなぐかで先に決まってしまいます。
Bluetoothでつないだヘッドホンは、マイクを開いた瞬間に音質が落ちます。これは製品の出来ではなくBluetoothの仕組みなので、4万円台のヘッドホンでも5千円台のヘッドホンでも同じように起きます。ここでは8台を参考価格の順に並べます。
目次(9項目)
マイクを開くと、音楽用の通り道から切り替わります
Bluetoothのオーディオには、用途の違う2つの通り道があります。
- A2DP(音楽用)。音質は高いが、マイクは使えません
- HFP(通話用)。マイクが使えるかわりに、音は8kHz(CVSD)か、広帯域に対応していても16kHz(mSBC)になります
音楽を流しているところでマイクが開くと、自動でA2DPからHFPへ切り替わります。会議に入った瞬間に相手の声も自分の音楽もこもるのは、これが理由です。44.1kHzで鳴っていたものが、よくても16kHzになります。
大事なのは、これが値段では直らないという点です。ノイズキャンセリングがいくら効いても、通り道が変わるのは同じです。
だから業務用には専用のUSBアダプタが付いています
会議向けのヘッドセットには、たいていUSBのアダプタ(レシーバー、ドングル)が同梱されています。これがあるとPCが確実にヘッドセットとして認識し、メーカーが会議アプリの認定を取れる状態になります。Jabraの技術資料には、会議アプリの認定を取るには、この種の専用アダプタが実質的に必要だという説明があります。
Jabra Link 380のように、super wideband(超広帯域)の通話に対応するアダプタもあります。標準の16kHzより広い帯域を通せるので、同じBluetoothでも会議の音は変わります。
いちばん確実なのはUSBの有線です。通り道の切り替わりが起きないので、会議中に音質が変わりません。充電も要りません。
どちらの方式でもUSBポートを1つ使うので、ポートが少ないノートPCではUSB-Cドックと合わせて考えることになります。ドック経由でも認識はしますが、USBの帯域を他の機器と分け合う形になります。
つなぎ方で並べ直すとこうなります
| 製品 | 参考価格 | PCとのつなぎ方 | マイク | 会議アプリの認定 |
|---|---|---|---|---|
| Anker Soundcore Q20i | 5千円台 | Bluetoothのみ | 内蔵 | なし |
| Jabra Evolve2 30 SE UC Mono | 9千円台 | USB有線 | ブーム | あり |
| ロジクール ZONE 300 | 1万円台 | Bluetoothのみ | 内蔵 | なし |
| Jabra Evolve2 40 SE UC | 1万4千円台 | USB有線 | ブーム | あり |
| ロジクール Zone Vibe 100 | 1万7千円台 | Bluetoothのみ | 内蔵 | なし |
| ロジクール Zone Vibe Wireless (UC) | 1万9千円台 | 専用USBレシーバー | 内蔵 | あり |
| Jabra Evolve2 65 UC | 2万5千円台 | 専用USBアダプタ | ブーム | あり |
| ソニー WH-1000XM5 | 4万1千円台 | Bluetoothのみ | 内蔵 | なし |
値段の順に良くなっていないところが2か所あります。
- いちばん高い4万1千円台のソニーが、つなぎ方はいちばん安い5千円台と同じ。音楽では最上位ですが、会議でマイクを開けば同じように帯域が落ちます
- Zone Vibe 100 と Zone Vibe Wireless は、ほぼ同じ製品で2千円ほどの差。その差がレシーバーの有無と認定の有無です。名前も見た目も近いので、安いほうを選ぶと会議用の機能が付いてきません
会議の出方から引き当てる
席を立つかどうかと、声の通りをどこまで求めるかで分かれます。
| 使い方 | 選ぶつなぎ方 | この記事の該当機 |
|---|---|---|
| 席を立たない・毎日会議がある | USB有線 | Jabra Evolve2 40 SE UC |
| 席を立つ・声を重く見る | 専用アダプタ + ブームマイク | Jabra Evolve2 65 UC |
| 席を立つ・見た目を重く見る | 専用アダプタ + 内蔵マイク | ロジクール Zone Vibe Wireless |
| 会議より音楽が主 | Bluetooth | ソニー WH-1000XM5 |
4行目を選ぶ場合、会議のマイクは別に用意すると割り切るほうが収まります。
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5千円台:音楽向けと割り切る
独自採点の規則(4項目・各5点)
楽天のレビューは商品によって件数が1件から数百件までばらつき、件数の少ないものは1人の評価で平均が1点以上動きます。楽天側でレビューが消えると数字も黙って変わるので、順位付けには使っていません。代わりに、下の規則でスペックから機械的に点を出しています。記事に載せている表の値をそのまま当てはめているだけなので、読者が検算できます。総合点は4項目の単純平均です。用途によって効く項目が違うので、総合点だけでなく項目ごとの差を見てください。
- 会議中に音質が変わらないか
- PCとのつなぎ方。USB有線=5(帯域の切り替わりが起きない) / 専用USBアダプタ=4 / Bluetoothのみ=1(マイクを開くとHFPに切り替わる)
- 相手に届く声
- マイクの形。口元まで下ろせるブーム=5 / ハウジング内蔵=2
- 会議アプリの認定
- Teams / Zoom / Google Meet などの認定を取得しているか。あり=5 / なし=1
- 導入しやすさ
- 参考価格。1万円未満=5 / 1万6千円未満=4 / 2万1千円未満=3 / 3万円未満=2 / それ以上=1
この独自採点は「PCのWeb会議で使うこと」だけを見ています。音楽を聴く性能とノイズキャンセリングの効きは、各社が比べられる数値で出していないので入れていません。そのためソニー WH-1000XM5 のような音楽向けの製品は低く出ますが、音楽用として劣るという意味ではありません。つなぎ方・マイクの形・認定の有無は各社の製品ページと技術資料によります。
9千円台:有線のブームマイクで1万円を切る
1万円台:軽いがレシーバーは付かない
1万4千円台:有線なので帯域が変わらない
1万7千円台:会議向けだがレシーバーが付かない
1万9千円台:2千円の差がレシーバーと認定
2万5千円台:超広帯域とブームマイク
4万1千円台:音楽では最上位
マイクの位置は、遮音より効きます
相手に届く声を決めるのは、マイクと口の距離です。ブームマイクは口元まで下ろせるので、同じ部屋の音でもマイクに入る割合が小さくなります。内蔵マイクはハウジングの中にあり、口から遠くなります。
自分の耳に入る音はノイズキャンセリングで静かにできますが、相手に届く自分の声はノイズキャンセリングでは良くなりません。会議で「聞き取りにくい」と言われるかどうかは、ここで決まります。充電器と同じで、目立つ数字とは別のところが効く形です。
ブームマイクでも足りないと感じるなら、据え置きのUSBマイクを別に置くことになります。映像のほうを整えたい場合はウェブカメラが別の担当です。
マルチポイントは、会議の途中で効いてきます
2台のデバイスに同時につなげる機能をマルチポイントと呼びます。PCで会議に出ながら、スマホに着信があればそちらへ切り替わります。
ここで注意が要るのが、専用のUSBアダプタとBluetoothを同時に使う場合です。アダプタでPCにつなぎ、Bluetoothでスマホにつなぐ、という構成になるので、機種によっては同時接続の数に含まれます。2台までの機種では、これで枠が埋まります。
電池が切れると、会議の途中で落ちます
ワイヤレスの弱点がここです。会議中に電池が切れると、そのまま音が途切れます。充電しながら使える機種もありますが、ケーブルをつなぐならワイヤレスの利点は薄れます。
USB有線の機種にはこの問題がありません。充電を管理しなくてよいことは、毎日会議がある使い方では地味に効きます。席を立たないなら、有線を外す理由は少なくなります。
まとめ:判断の順番
音質やノイズキャンセリングから入ると外します。次の順に決めると絞れます。
- 会議で使うのか、音楽で使うのか。両方を1台でまかなおうとすると、どちらかが中途半端になります
- 会議なら、まず有線を検討する。帯域の切り替わりが起きず、充電も要りません。席を立たないなら不利がありません
- ワイヤレスにするなら、専用のUSBレシーバーが付属するか。Bluetoothで直接つなぐ製品とは別物です
- 相手に届く声を重く見るならブームマイク。内蔵マイクは口から遠くなります
なお、この記事の仕様は各社の製品ページと技術資料に載っている値です。8台を並べて録音を比べる、といった実測はしていません。声の通り方は部屋の反響やマイクの処理でも変わるので、そこを重く見る場合は実際の録音サンプルを当たってください。