USBマイクおすすめ8選 ダイナミック・単一指向性・距離で比較
USBマイクの商品ページで前に出てくるのは、周波数特性やサンプリングレートです。ところが実際に相手へ届く声を決めているのは、もっと単純なところです。
マイクと口の距離、そして拾ってほしくない音がどれだけ入るか。この2つで決まります。
そして机の上という環境では、感度が高いことは有利になりません。キーボードの打鍵音も、空調も、部屋の反響も、感度が高いほどよく入るからです。
ここでは8台を参考価格の順に並べます。
目次(10項目)
距離が2倍になると、声の強さは4分の1になります
音は距離の二乗に反比例して弱くなります。マイクを口から20cmではなく40cmに置くと、マイクに届く声の強さは4分の1です。
ここで効いてくるのは、部屋の反響や空調の音は距離を変えても減らないという点です。声だけが4分の1になり、雑音はそのまま残ります。その状態で音量を上げれば、雑音も一緒に持ち上がります。
つまり口元に寄せられるかどうかが、マイクの値段より先に効きます。グースネックやマイクアームで15cmまで寄せられる4千円台のマイクと、付属の卓上スタンドで40cm離れる2万円台のマイクでは、条件がそもそも違います。
ダイナミックとコンデンサーは、感度が違います
USBマイクのほとんどはコンデンサー方式です。感度が高く、小さな音までよく拾います。録音スタジオのように静かな部屋なら、これが利点になります。
ダイナミック方式は感度が低く、口元に近づけて使うことを前提にしています。そのぶん、離れたところの音は入りにくくなります。ラジオや配信で使われているのはこの方式です。
机の上で、キーボードを打ちながら会議をする、という条件では、感度が低いことのほうが利点になります。この8台の中でダイナミックなのはSHURE MV6の1台だけです。マイクを使わずヘッドセットのブームマイクで済ませる、という選び方もあります。口元からの距離という点では、ブームマイクがいちばん近くなります。
指向性は、切り替えられる機種ほど注意が要ります
単一指向性は正面の音だけを拾います。無指向性は全方位を拾います。会議で使うなら単一指向性です。
注意が要るのはBlue Yetiのように4パターンを切り替えられる機種です。切り替えられること自体は利点ですが、設定が用途に合っていないまま使っていることがあります。複数人の対談用に無指向性にしたまま1人の会議で使えば、部屋中の音が入ります。
並べ直すとこうなります
| 製品 | 参考価格 | 方式 | 指向性 | 口元に寄せられるか |
|---|---|---|---|---|
| エレコム HS-MC14UBK | 3千円台 | コンデンサー | 単一指向性 | アームに固定できる |
| FIFINE K054 | 4千円台 | コンデンサー | 単一指向性 | グースネック |
| FIFINE A6V | 4千円台 | コンデンサー | 単一指向性 | 卓上三脚のまま |
| FIFINE AM8 | 7千円台 | ダイナミック | 単一指向性 | 卓上三脚のまま |
| オーディオテクニカ AT2020USB-X | 2万1千円台 | コンデンサー | 単一指向性 | 卓上スタンドのまま |
| Logicool G Blue Yeti | 2万2千円台 | コンデンサー | 4パターン切替 | 卓上スタンドのまま |
| SHURE MV6 | 2万4千円台 | ダイナミック | 単一指向性 | 卓上スタンドのまま |
| SHURE MV7+ | 3万7千円台 | ダイナミック | 単一指向性 | 卓上スタンドのまま |
値段が上がるほど、方式はコンデンサーのままで感度が上がり、付属のスタンドは卓上型になって口から遠くなります。2万円台に上がって改善するのは音の解像感で、雑音の入りにくさではありません。雑音の入りにくさが変わるのは方式が変わったときで、この8台では7千円台のFIFINE AM8から上にある3台のダイナミックがそれにあたります。
部屋の状況から引き当てる
マイクの性能より、部屋と距離のほうが先に効きます。
| 部屋の状況 | 選ぶ方式と形 | この記事の該当機 |
|---|---|---|
| 生活音がある・打鍵しながら話す | ダイナミック | SHURE MV6 |
| 静かだがアームは置けない | グースネック | FIFINE K054 |
| マイクアームを置ける | コンデンサー + アーム固定 | エレコム HS-MC14UBK / AT2020USB-X |
| 複数人で1本を使う | 指向性を切り替えられる | Logicool G Blue Yeti |
1行目に当てはまるなら、値段の高いコンデンサーを選ぶほど不利になります。
おすすめのUSBマイク8選
3千円台:単一指向性でアームに載る
独自採点の規則(4項目・各5点)
楽天のレビューは商品によって件数が1件から数百件までばらつき、件数の少ないものは1人の評価で平均が1点以上動きます。楽天側でレビューが消えると数字も黙って変わるので、順位付けには使っていません。代わりに、下の規則でスペックから機械的に点を出しています。記事に載せている表の値をそのまま当てはめているだけなので、読者が検算できます。総合点は4項目の単純平均です。用途によって効く項目が違うので、総合点だけでなく項目ごとの差を見てください。
- 周囲の音の入りにくさ
- ダイナミック=5(感度が低く、離れた音が入りにくい) / コンデンサー=2(感度が高く、打鍵音や反響も拾う)
- 指向性
- 単一指向性=5 / 4パターン切替=3(設定が用途に合っていないまま使われることがある)
- 口元に寄せられるか
- グースネック=5 / アームに固定できる=4 / 卓上スタンドのまま=2。距離が2倍になると声の強さは4分の1になります
- 導入しやすさ
- 参考価格。4千円未満=5 / 6千円未満=4 / 1万5千円未満=3 / 2万3千円未満=2 / それ以上=1
この独自採点は「机の上で、周囲の音を入れずに声を録れるか」だけを見ています。録音そのものの解像感は各社が比べられる数値で出していないので入れていません。そのため録音向けの上位機は低く出ますが、音質が劣るという意味ではありません。方式・指向性・付属スタンドは各社の製品ページによります。
4千円台:グースネックで口元まで寄る
4千円台:配信向けの形と手元のつまみ
7千円台:7千円台で買えるダイナミック
2万1千円台:録音向けの解像感
2万2千円台:指向性を4つから選べる
2万4千円台:本体側で処理まで持つダイナミック
3万7千円台:USB-CとXLRの両対応
アームを足すと前提が変わります
卓上スタンドの機種でも、マイクアームを足せば口元に寄せられます。2万円台のマイクに3千円のアームを足すほうが、マイクだけを買い替えるより効きます。
ただしアームを机に固定する場所が要ります。モニターアームと同じクランプの位置を取り合うので、机の奥行きと天板の厚みを先に見ておくことになります。
同じクランプの位置はウェブカメラのアームとも競合します。机の奥行きと天板の厚みを先に測っておくと、あとから置き場所で困りません。
96kHzは、会議ではそのまま届きません
マイクの製品ページには、48kHzや96kHzといったサンプリングレートが書かれています。数字が大きいほど細かく記録できますが、会議で相手に届くところまで残るわけではありません。
会議アプリが送る音声は帯域が限られていて、途中で圧縮されます。96kHz対応が活きるのは録音や配信のほうです。会議だけが目的なら、この数字で選ぶ理由はありません。前に書いた距離と方式のほうが、はるかに大きく効きます。
吹かれの音は、マイクの手前で防ぎます
口元に近づけると別の問題が出ます。「ぱ」「ば」のような破裂音で息が直接マイクに当たり、低い音が入ります。これはマイクの性能では解決しません。
防ぐのは、マイクの手前に置くポップガードか、口の正面ではなく少し横にずらす置き方です。近づけるほど吹かれやすくなるので、距離を詰めるときはセットで考えることになります。
まとめ:判断の順番
音質の数値から入ると外します。次の順に決めると絞れます。
- 口元まで寄せられるか。グースネックか、アームに固定できるか。ここがいちばん効きます
- 部屋が静かか。静かならコンデンサーの解像感が活きます。生活音があるならダイナミックです
- 単一指向性になっているか。切り替え式の機種は設定を確認します
- 音質は最後。会議で使うなら、ここでの差は距離と方式の差より小さくなります
なお、この記事の仕様は各社の製品ページに載っている値です。8台を並べて録音を比べる、といった実測はしていません。声の入り方は部屋の広さや壁の材質でも変わるので、そこを重く見る場合は実際の録音サンプルを当たってください。