← ガジェット研究所

プログラマー向け外付けSSD6選 20Gbpsより40Gbpsが安い

2026-08-15 公開 ・ 更新: 2026-08-15本記事にはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト・楽天アフィリエイト)を含みます。

外付けSSDを買ったのに公称の速度が出ない、という話には原因が2つしかありません。ひとつはホスト側の規格が足りていないこと、もうひとつは発熱です。そして20Gbpsの製品だけは、対応したパソコンを持っていないと速度が半分になります。

いま並べると、40Gbps対応のSSDのほうが20Gbps対応のSSDより安い、という逆転が起きています。値段の順に速くならないので、価格帯ではなく規格の側から見ていきます。1万円台のケースから13万円台までの6台です。なお2026年8月時点のSSDは全体に高いのですが、その理由は後半にまとめました。

目次(12項目)

先に自分のパソコンが何Gbpsで繋がるか調べる

製品を見る前に、手元の機械が何を通せるかを確認するほうが早く決まります。ここで上限が決まってしまうので、それ以上のものを買っても数字は伸びません。

ホスト出せる上限20Gbps(Gen 2x2)
MacBook Air / Pro(M1以降)40Gbps対応しません。10Gbpsに落ちます
MacBook Pro(M4 Pro / Max以降)80Gbps(Thunderbolt 5)同上
Windowsノート(Thunderbolt 4 / USB4搭載)40Gbps機種による
USB-Aしかない機械10Gbps対応しません

AppleのMacBook Airの技術仕様には、ポートの対応として「Thunderbolt 4(最大40Gb/s)、USB 4(最大40Gb/s)」と書かれています。ここにUSB 3.2 Gen 2x2(20Gb/s)は載っていません。載っていない規格に繋ぐとひとつ下の10Gbpsで動くので、Macで20Gbpsの製品を使うと公称の半分が上限になります。

規格は3系統あり、真ん中だけが相手を選ぶ

外付けSSDの接続は3つに分かれます。数字が大きいほど速いという並びですが、真ん中の20Gbpsだけは事情が違います。

規格実測の目安MacWindows
USB 3.2 Gen 2(10Gbps)1,000MB/s前後出ます出ます
USB 3.2 Gen 2x2(20Gbps)1,600〜2,100MB/s出ません対応機だけ
USB4 / Thunderbolt(40Gbps)2,800〜3,300MB/s出ます対応機だけ

10Gbpsはどこに挿しても同じ速度で動きます。40GbpsはThunderboltの系統なので、MacもThunderbolt搭載のWindows機もそのまま対応しています。20Gbpsだけが、この2つのどちらの系統にも属さないUSB側の拡張で、ホストとケーブルの両方が対応していないと落ちます。

Samsungも自社の製品ページに、最大2,000MB/sを出すにはホストとケーブルがGen 2x2に対応しUASPが有効である必要がある、と書いています。条件を満たさなかったときにどうなるかは書かれていませんが、10Gbps側にひとつ落ちる、というのが実際の挙動です。

もうひとつの上限は発熱とSLCキャッシュ

規格の条件を満たしても、公称速度が続くのは最初だけです。連続して書き込むと2段階で落ちます。

この記事で扱うNextorageの1TBモデルは、SLCキャッシュが50GB固定で、超えると800〜900MB/sまで落ちるという実測が出ています。公称は3,600MB/sなので4分の1です。50GBというのは、Dockerのイメージを何本か取り込んだり、VMのディスクを1つコピーしたりすると届く量です。

発熱のほうは、メーカー自身が設計上の壁として語っています。バッファローは極小SSDの開発記事で、小さな筐体には排熱の限界があり、速度を落とせば客をがっかりさせるし速度を優先すれば熱くなりすぎる、という板挟みを解決するために熱をホスト機器側へ逃がす方向へ発想を変えた、と説明しています。小さい製品ほどここに無理があります。

1万円台:手持ちのM.2があるならケースだけで済む

いちばん安く済むのは、ケースだけを買って中身を自分で用意する形です。余っているM.2 SSDがあるなら、この選択肢が他を大きく下回ります。

速度を決めているのは金属の筐体ではなく、中に載っているブリッジチップです。40Gbpsを出す製品はASM2464PDというチップを使っていることが多く、製品ページにチップ名が書かれています。同じ「USB4対応」でも、載っているチップが古ければ上限はそこで止まります。

発熱を気にするならファンを内蔵したケースもあります。放熱にファンとヒートパイプを使う製品では、M.2の温度を6割下げるとうたっているものもあります。静かな部屋に置くかどうかで選び方が変わる部分です。

3万円台:極小サイズは排熱を捨てている

完成品でいちばん安いのは、USBメモリのような形をした極小タイプです。

公称600MB/sは、10Gbpsの帯域の6割程度です。つまりこの製品では規格の話は関係がなく、上限を決めているのは中身と排熱のほうになります。設定ファイルやリポジトリを持ち歩く、鍵を入れて金庫代わりに使うといった用途なら、この速度で困る場面はほとんどありません。

逆に、ここに大きなアーカイブを一気に書き込むと落ちます。4.5gの筐体に逃がせる熱の量には限りがあるので、連続書き込みの用途は最初から別の製品に振り分けるほうが確実です。

4万円台:40Gbpsのほうが20Gbpsより安い

ここがこの記事でいちばん言いたい部分です。値段の順に速くならない、という並びが実際に起きています。

USB4の40Gbpsで、公称は読込4,000MB/s・書込3,600MB/sです。実測でも動画フォルダの読み書きで2,700MB/s台が出ています。MacのThunderboltポートに挿すだけでこの速度になるので、ドライバーも設定もありません。

そして次に出てくる20Gbpsの製品より1万円安く収まります。Macで使うなら、20Gbpsを飛ばしてここに来るのが素直な選び方になります。弱点はSLCキャッシュが50GB固定であることなので、100GBを超える塊を頻繁に動かすなら容量の大きいモデルを選ぶことになります。

5万円台:20Gbpsは対応ホストを持っている人だけの速度

同じ容量で1万円高いのが、20Gbpsの製品です。数字だけ見ると10Gbpsの倍ですが、その倍が届く人は限られます。

製品としての作りは丁寧で、表面温度を抑える仕組みも5年間の保証も付いています。問題は接続のほうです。Macでは10Gbpsで動くので、1万円安い10Gbpsの製品と速度が変わりません。Windowsでも、Gen 2x2に対応したポートを持つ機種は今も多数派ではありません。

Gen 2x2に対応したWindows機を使っていて、なおかつ対応ケーブルを使う場合にだけ、この価格差が意味を持ちます。条件を確認せずに数字だけで選ぶと、4万円台のUSB4より高くて遅い買い物になります。

5万円台:同じ値段を速度ではなく耐久性に払う

同じ5万円台に、10Gbpsのままの製品があります。速度で選ぶと候補から外れますが、払い先が違います。

IP65の防塵防水と3mの落下対策があり、放熱を考えた筐体とDynamic Thermal Guardで連続書き込みでも落ちにくくなっています。1,050MB/sという公称は10Gbpsをほぼ使い切る値なので、10Gbpsの範囲では上限に近い性能です。

現場に持ち出す、鞄に放り込んで移動する、という使い方なら壊れにくさのほうが効きます。机の上に置いたまま動かさないなら、同じ金額はUSB4に回すほうが得です。

13万円台:Thunderbolt 5で内蔵と同じ感覚にする

上限側です。ここまで来ると、外付けであることを意識しない速度になります。

Thunderbolt 5対応で6,000MB/sを超え、Thunderbolt 4やUSB4の機械に繋いでも下位互換で動きます。ケーブルが本体と一体になっているので、規格に足りないケーブルを掴んで速度が出ない、という事故が起きません。アルミ削り出しの筐体をそのままヒートシンクとして使う作りです。

VMのイメージやビルドの中間生成物を外に置いたまま作業したい場合には効きますが、リポジトリを持ち運ぶだけなら過剰です。1TBの設定が無く2TBからになるので、金額の下限も高くなります。

フォーマットを既定のまま使うと3割遅い

買ってすぐ挿すと、たいていexFATでフォーマットされています。WindowsとMacの両方で読み書きできる形式ですが、速度は落ちます。

Nextorageの製品を検証した記事では、exFATのままとNTFSに変えた場合を比べて、読み出し速度が3割ほど改善したという結果が出ています。この差はケーブルや規格を変えても取り戻せない部分なので、片方のOSでしか使わないならフォーマットを変えるほうが先です。

使い方選ぶ形式注意
Macだけで使うAPFSTime MachineはAPFSかMac OS拡張が必要です
Windowsだけで使うNTFSMacからは読み取り専用になります
両方で使うexFAT速度が落ち、Time Machineには使えません

AppleはTime Machineのバックアップ先について、Windows用にフォーマットされたディスクには作成できないと案内しています。バックアップ用に買ったつもりでexFATのまま使うと、Time Machineの選択画面に出てこないという形で気づくことになります。

いまSSDが高いのは製品のせいではない

この記事の価格を見て高いと感じた場合、それは正しい感覚です。2026年に入ってからNAND型フラッシュメモリの供給が絞られ、SSDの価格が全体に上がっています。

1TBのNVMe SSDは2024年に8千円前後で買えていましたが、2026年8月時点では2万5千円から3万7千円あたりが実勢です。Micronが2026年2月にCrucialブランドの民生向けSSDから撤退するなど、供給側の縮小も続いています。

この状況では、待てば下がるという前提を置きにくくなります。現実的なのは、必要な容量をひとつ下げて買うことと、ケースと中身を分けて買えるなら手持ちのM.2を使い回すことです。今回ケースを最初に置いたのは、それが今いちばん効く節約だからです。

まとめ:迷ったときの判断順

数字の大きさから選ぶと外します。次の順に決めると絞れます。

  1. 自分のパソコンのポートは何か。Macなら20Gbpsの製品は候補から外れます。10Gbpsか40Gbpsの二択です
  2. 一度にどれだけ書き込むか。数GB単位なら10Gbpsで足ります。100GB級を動かすならSLCキャッシュの量まで見ます
  3. 持ち歩くか、机に置きっぱなしか。持ち歩くなら防塵防水と落下対策、置きっぱなしなら速度に払います
  4. 手持ちのM.2があるか。あるならケースだけで済み、金額がひと桁変わります

20Gbpsという表記は、対応したホストを持っている人にとってだけ本当です。自分のポートを先に確認してから価格帯を見る順番にすると、高いほうを買って遅いという結果を避けられます。

パソコン側のポートを増やす話はUSB-Cドック6選に、画面を増やす話はプログラマー向けモニター6選にまとめています。

← ガジェット研究所 トップへ戻る USB-Cドック6選