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オフィスチェア6選 値段ではなく調整軸の数で選ぶ

2026-08-07 公開 ・ 更新: 2026-08-07

椅子の価格差は、見た目では張り地やフレームの質感に出ます。ただし座っている体に効くのはそこではありません。効くのは、体に合わせて動かせる箇所がいくつあるかです。そして厄介なことに、その数は値段の順に増えません。10万円前後の機種にあってこの記事で最も高い22万円の機種にない機能が、実際に存在します。

そのうえで、2万円台から22万円台までの6台を並べます。比べるのは前傾チルト・座面の奥行き・ランバーサポート・アームレストの4点です。

目次(11項目)

動かせる箇所は6つある

高機能チェアと呼ばれる製品が持ちうる調整軸は、おおむね次の6つに分類できます。どれが付いているかは機種ごとに違います。

調整軸何が変わるか合わないときの症状
座面の高さ足裏の接地と膝の角度足が浮く、または膝が高くなる
座面の奥行き膝裏と座面の隙間膝裏が圧迫される、または腰が前に滑る
ランバーサポートの高さ腰を支える位置支えが背中側または尻側にずれる
ランバーサポートの硬さ腰を押す強さ押しが強すぎる、または効かない
アームレストの方向数肘を置ける位置肩が上がる、または肘が浮く
前傾チルトキーを打つときの骨盤の角度前のめりになり背もたれから離れる

このうち座面の高さは全機種にあります。価格帯で入れ替わるのは残りの5つです。そして2万円台と20万円台を分けるのは軸の数だけではありません。調整量が数値で公開されているかどうかも変わります。

先に前傾チルトの有無を見る

6つのなかでコードを書く時間に最も効くのが前傾チルトです。座面と背もたれを前に傾ける機能で、オカムラはこれを、おなかの圧迫が解消されて腰の負担が軽くなる機能として説明しています。パソコン作業と筆記作業に向いたポジションという位置づけです。

効く理由は姿勢の実態にあります。集中してキーを打っているとき、多くの人は背もたれから背中を離して前のめりになります。この状態では、いくら高機能な背もたれを買っても使われていません。前傾チルトは座面ごと前に傾けて、前のめりの姿勢のまま骨盤を立てられるようにする機能です。背もたれに寄りかかる時間より、前のめりで打っている時間のほうが長いなら、ここが最初の判断基準になります。

6台の調整軸を並べる

今回の6台を軸の有無で並べると、価格順になっていないことが分かります。

機種前傾チルト座面奥行きアーム調整量の公開
SIHOO M18(2万円台)なしなし可動式なし
SIHOO M57(2万円台)なしなし3方向なし
オカムラ シルフィー(13万円台)型番により ありなし3方向あり
エルゴヒューマン フィット2ライト(12万円台)ありあり4方向一部
エルゴヒューマン フィット2(14万円台)ありあり5方向一部
オカムラ コンテッサ セコンダ(22万円台)なしあり4方向あり

表の1列目と2列目を見比べると、この記事で言いたいことがほぼ出ています。前傾チルトを持っているのは12万円台と14万円台の2機種と、13万円台の一部型番だけで、22万円台の機種にはありません。値段の高い順に上から選ぶと、いちばん効く軸を落とすことになります。

2万円台:軸の数より、数値が無いことが問題

まず入口の価格帯です。機能名は並んでいますが、読み方に注意が必要です。

ランバーサポートも可動式アームレストもヘッドレストも付いています。問題はそれぞれが何ミリ動くのかが公開されていないことです。ランバーサポートが上下40mm動くのか10mmなのかで、腰の位置に合うかどうかは変わります。この価格帯では数値が出てこないので、合うかどうかは座ってみるまで分かりません。逆に言えば、返品できる条件で買って試す、という買い方に向いた価格帯でもあります。

2万円台後半:増えるのはアームの方向

同じメーカーの上位機を見ると、価格差が何に対応しているかが分かりやすくなります。

増えるのはアームレストの方向数です。M18の可動式から、上下・前後・角度の3方向に増えます。この帯では調整軸が1つずつ足されていき、数千円ずつ値段が上がる形になります。座面の奥行きと前傾チルトはどちらにも入りません。なお同じ型番が販売店によって2万円台から8万円台まで並んでいるので、価格の比較先には注意が必要です。

13万円台:前傾とバックカーブに払う

ここから国内メーカーの帯です。軸の数だけでなく、可動量が数値で公開されるようになります。

前傾機能付の型番を選ぶと、前傾ポジションが使えます。加えてバックカーブアジャスト機構という仕組みがあり、背もたれのカーブの緩急をレバーで変えられます。オカムラは成人男女100名の腰まわりを計測して個人差が大きいことを確認し、この機構を開発したと説明しています。ランバー上下60mm、アーム上下100mm・前後50mm・内外20°という数値も公開されています。

弱点は座面の奥行きが動かないことです。身長に対して脚が長い、あるいは短い体型だと、膝裏の隙間を調整する手段がありません。前傾機能の有無は型番で分かれるので、買うときは前傾機能付を指定してください。指定を忘れると、この一台を選ぶ理由がほぼ消えます。

12万円台:前傾と座面奥行きが同時に付く

調整軸の数だけで見ると、この価格帯がひとつの完成形になります。

4Dアームレスト、独立式ランバーサポート、座面奥行調節、前傾チルトがすべて付きます。ランバーサポートの硬さだけを個別に調節できるので、位置と強さを別々に合わせられます。シルフィーで足りなかった座面の奥行きもここで埋まります。20万円台のコンテッサ セコンダにない前傾チルトが12万円台にあるという事実が、価格と軸の数が一致しない一番の例です。

14万円台:差はアーム1軸とリクライニングの記憶

同じシリーズの上位機です。差分がはっきりしているので、判断は簡単になります。

ライトとの違いは2つです。アームレストが4方向から5方向になり、リクライニング角度を110°から138°の範囲で記憶するメモリーロッキングが付きます。前傾チルトと座面奥行調節はライトにも付いているので、上位である理由にはなりません。座面高が470〜560mmとライトより高い範囲になるので、身長が高い人には効きます。差額2万円をアーム1軸とリクライニングの記憶に払うかどうか、という判断です。

22万円台:可動量は最上級、ただし前傾はない

最後は価格の上限側です。作りと公開情報の丁寧さは6台で最も上ですが、軸の構成が違います。

4Dアームレストの可動量は上下100mm・前後40mm・角度は内側15°と外側7.5°・左右は片側25mmと、細かく公開されています。座面奥行きは50mm動き、肘先のレバーで座ったまま高さとリクライニングを操作できます。一方で前傾ポジションの機能はありません。後傾側の座り心地と体の支え方に振った設計なので、読む・考える・会議に出る時間が長い人には合いますが、前のめりでキーを打ち続ける時間が長い人には、10万円前後のシルフィーのほうが合う可能性があります。

試座で確認する3点

ここまで数値の話をしてきましたが、椅子は6台のなかでいちばん体格に依存します。数値が合っていても座り心地が合わないことは普通に起きます。座れる機会があるなら、次の3点だけ確認すれば十分です。

  1. 膝裏に指2本分の隙間ができるか。できないなら座面が深すぎます。奥行き調節のある機種が必要です
  2. ランバーサポートが腰の一番くぼんだ位置に来るか。ずれるなら高さ調節の範囲を確認します
  3. 前傾にしたとき足裏が浮かないか。前傾は座面が前に傾くので、座面高を下げる必要が出る場合があります

3点目は昇降デスクと関係します。前傾で座ると座面が実質的に高くなるので、机の高さも一緒に下げたくなります。机側の下限については電動昇降デスク6選にまとめています。

まとめ:迷ったときの判断順

価格帯から選ぶと外します。次の順に決めると絞れます。

  1. 前のめりでキーを打つ時間が長いか。長いなら前傾チルトのある機種に絞られ、コンテッサ セコンダは外れます
  2. 膝裏が当たりやすい体型か。当たるなら座面奥行調節が必要で、シルフィーが外れます
  3. 調整量の数値が公開されているか。試座できないなら、数値が出ている機種のほうが失敗しにくくなります
  4. アームレストの方向数はいくつ必要か。ここが最後の差で、最初に見る項目ではありません

椅子は「高いほど良い」が通じにくい買い物です。20万円払っても前傾できない機種があり、12万円で6軸そろう機種があります。自分の姿勢を先に決めてから価格帯を見る順番にすると、この逆転に引っかかりません。

机とモニターの側は電動昇降デスク6選プログラマー向けモニター6選にまとめています。

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