この記事では、Vim/neovimに関するキー操作「オペレータ+モーション」について、詳しくご紹介します。
Vimmerが思考の速度で編集できるようになる仕組みの1つです。ぜひ習得しましょう。
[解答] 同じ行の6単語を削除する
解説
(ノーマルモード)
2d3w
こちらは次のような意味合いになります。
- 2 -> 以降に入力するキー操作を2回実行する
- d -> 「削除」のオペレータ
- 3w -> カーソルから右3つの「単語」を指定するモーション(移動)
これを実行すると、次のようになります。
Vimで思考のスピードで編集する技術の1つ:モーション(移動)+オペレータ
先にもご紹介した通り、Vim / neovim を使って高速に編集するテクニックの1つとして、次の組み合わせを使いこなすことが挙げられます。
(ノーマルモード) オペレータ + モーション
適用する編集内容と範囲について数個のキーで実行できる仕組みとなります。
vim ヘルプでは次のように表現されています。
移動コマンドはオペレータコマンドの後に続けることができ、カーソルが移動する間のテキストにそのオペレータコマンドを施すことができます。つまりは移動前と移動後のカーソル位置の間のテキストです。
motion – Vim日本語ドキュメント
少ないキー入力(ステップ)で、多彩な機能が実行できる Vim / neovim の便利さを象徴する機能とも言えますね。
この仕組みを最大限に生かすためには、数あるオペレータとモーションを覚える必要があります。
オペレータとは
オペレータ(オペレータコマンド)は、削除や変更などの編集機能(オペレーション)を指定するために使われます。
主なオペレータはこちら。
キー | オペレーション(実行内容) |
---|---|
c | 変更 |
d | 削除 |
y | ヤンク |
~ g~ | 大文字/小文字の入れ換え |
gu | 小文字にする |
gU | 大文字にする |
> | インデント下げ |
< | インデント上げ |
zf | 折り畳み作成 |
他にもいくつかありますが、使い方が非常に複雑になるため省略しています。詳しくは Vim ヘルプをご覧ください。
モーションとは
モーションとは、通常は「カーソルの移動」を指します。しかし、オペレータなどと組み合わせる場合には、その適用範囲を示すことになります。
こちらも非常に沢山の種類がありますので、主なモーションだけ紹介します。
キー | モーション(移動) |
---|---|
左 h 右 l | 1文字 |
上 k 下 j 左 0 右 $ | 1行(カーソルから行頭/行末/上下) |
左 b / B 右 w / W | 1単語(カーソルの単語の次の単語) |
左 ge / gE 右 e / E | 1単語(カーソルの単語の末尾) |
後方 ( 前方 ) | 1文章 |
後方 ( 前方 ) | 1段落 |
後方 ]] 前方 [[ | 1セクション |
次 ]m / ]M 前 [m / [M | メソッド |
モーションはオペレータよりも更に沢山あります。
用途によっても利用要否が変わってきますので、こちらを一読して必要なモーションだけピックアップしておくのも1つの上達法でしょう。
利用例
次のようにバリエーションが非常に豊富です。
キー | 処理内容 |
---|---|
cw | カーソル下にある単語について、カーソル以降の部分を削除してインサートモードに移行する |
d$ | カーソルから行末までを削除する |
y3j | カーソルのある行を含む3行をヤンク(無名レジスタにコピー)する |
>10j | カーソルのある行を含む10行を1段インデントを下げる |
0gU$ | カーソル行の英数字を全て大文字に変換する |
補足情報
- 利用頻度
- 便利さ
- 覚え易さ
関連するVimヘルプ
Vimからは、下記のコマンドでヘルプを確認できます。
:help motion.txt :help operator
ヘルプで検索するときは、通常は大文字小文字は識別されませんので、どちらでも構いません。
参考書籍
こちらの書籍が参考になります。
Vim/neovim関連の書籍で、もっとも評判が良くてバイブルと呼んでる人もいる一冊です。Vim/neovimのバージョンに依存しない沢山のTips形式で、その表題通りに「思考のスピードで編集」できるようになるノウハウが詰まっています。その高い評価は Amazon のレビューからも分かる通りです。Vimmer なら必ず一度は読んでおいて間違いありません。
こちらもVim関連の書籍で評価が高い書籍の一冊です。vim-jpで見かける上級Vimmer(Vimサポーターズ)の皆様による、Vimを実践で使ったノウハウからプラグイン関連の情報が詰まっています。日本の Vim界隈を知る上でも是非一読しておきたい一冊です。
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