Vim/Neovimの標準チュートリアルを使う(vimtutor / :Tutor)
Vimを始めるなら、まず標準搭載のチュートリアル機能を一通りやるのが定石です。最低限の使い方を覚えたら、次はこの演習形式のチュートリアルで実際に手を動かして身につけると効果的です。所要時間は25〜30分ほどですが、その価値は十分にあります。
目次(10項目)
Linux/Macの場合:vimtutorコマンド
vimtutor
ターミナルでこのコマンドを実行するだけで、Vim本体とは別に教本形式のチュートリアルが起動します。ディストリビューションによっては別途インストールが必要な場合があります(Ubuntuならvim-runtimeパッケージ)。日本語OS環境であれば、内容も日本語化されています。
vimtutor ja で開いた日本語版のチュートリアル。開いているのは一時的なコピーなので壊しても構わないNeovimの場合::Tutor
:Tutor
Neovimを起動した状態からExコマンドで呼び出します。中身はvimtutorと同系統の演習ですが、Neovim独自の機能紹介が含まれることもあります。日本語のロケールで使っていれば、そのまま日本語の教材が開きます。
:Tutorが引数に取るのは言語コードではなく教材の名前です。手元のNeovim 0.12.4でTabを押すと、候補はvim-01-beginner・vim-02-beginner・tutorの3つでした。言語はロケールから選ばれるので、明示したいときはパスの形で渡します。
:Tutor " ロケールに合った教材(日本語環境なら日本語)
:Tutor vim-02-beginner " 第2章
:Tutor ja/vim-01-beginner " 言語を明示して開く
Windowsの場合
Windows版Vim(gVimを含む)でも、Exコマンドからチュートリアルを起動できます。Vimにも:Tutorが入っています(plugin/tutor.vimが定義しているので、設定を読まない-u NONE起動では使えません)。
:Tutor
コマンドプロンプトやPowerShellからはvimtutorが使えます。日本語で進めたいならこちらで、引数にjaを渡します。VimとNeovimで事情が違うのは、この2つが別系統の教材だからです。手元のVim 9.1.1752にはtutor1.ja(vimtutorが開く旧形式)はありましたが、:Tutorが読むtutor/のほうに日本語は入っていませんでした。
vimtutor ja
vimtutor ja、Neovimは:Tutorです。:Tutorialというコマンドはどちらにも存在しません。所要時間25〜30分は最初に投資する価値があります。1回で終わらせなくてよい
1周しただけで全部の内容が身につくわけではありません。特にモード切り替えやテキストオブジェクトのような、頭では理解できても指が覚えるまで時間がかかる操作は、数日おきに繰り返しやると定着しやすくなります。「毎日1回、1週間やり続ける」という進め方を勧める人も多くいます。
チュートリアルの次にやること
チュートリアルはあくまで基本操作の紹介に留まります。もう一段実用レベルまで進めたいなら、次のような記事が参考になります。
- 画面・ファイル単位の大きな移動を固めるなら画面スクロールとジャンプの記事
- 実際にVimを選ぶ理由を知って学習のモチベーションにするならなぜVimmerはVimを使うのかの記事
- 体系立てて学びたいならオンライン学習リソースの記事
最初にvimtutorをやったときは、演習の指示通りに動かすだけで精一杯であまり頭に残りませんでした。数日おいてもう一度やり直したときに、前回よりずっと手が勝手に動くようになっていることに気づきました。1回で完璧を目指すより、忘れた頃にもう一度やるほうが定着すると感じています。
日本語版で始める
英語のまま進めると、操作より読解に時間を取られます。日本語版が同梱されているので、引数に言語を渡せば最初から日本語で開きます。
vimtutor ja " Vim:日本語版
:Tutor " Neovim:ロケールが日本語なら日本語で開く
手元の環境で確かめたところ、Vim 9.1.1752 には tutor1.ja が、Neovim 0.12.4 には tutor/ja/ の下に第1章と第2章のファイルが入っていました。ここで注意が要るのは、:Tutor に ja と渡しても開かない点です。引数は言語ではなく教材の名前なので、:Tutor ja は「No tutorial with that name found」になります。言語はロケールから選ばれます。
何度でも最初からやり直せる
チュートリアルは元のファイルをそのまま開くのではなく、一時的なコピーを作って開いています。そのため中身をどれだけ壊しても構いませんし、保存する必要もありません。
次に起動すれば、また手つかずの状態から始まります。途中でやめても、区切りのよいところまで戻ってやり直しても構いません。「壊してはいけない」という遠慮が要らないのが、実際のファイルで練習するのとの大きな違いです。
1周では身につかない前提で進める
読んで理解できることと、指が動くことは別です。モードの切り替え、オペレータとモーションの組み合わせ、テキストオブジェクトのあたりは、頭で分かっていても実際の編集では手が出ません。
おすすめは、1周したあとすぐ2周目に入るのではなく、いったん実際のファイルを編集してみることです。詰まったところが分かってから該当する章に戻ると、同じ説明でも入り方が変わります。ブラウザ上で章ごとに練習できるVim道場も用意しているので、環境を用意せずに試したいときはこちらから始めても構いません。
まとめ
環境ごとにvimtutor/:Tutor/:Tutorialと呼び方は違いますが、いずれも同系統の演習形式チュートリアルです。1回で終わらせず、忘れた頃に繰り返すことで指に定着させるのがコツです。