この記事では、Vim / neovim でプラグインを使わずに「変数の宣言位置を検索する」ためのコマンドについて、ご紹介します。
[解答] gd / gD
Vimコマンド1. ローカル宣言を検索する
(ノーマルモード)
gd
関数などで宣言されるローカル宣言を検索します。
つまり、ローカル変数の上にカーソル場合は、その関数内の宣言位置に移動するわけです。といいつつ、実は次の順に単語を検索するだけです。
- 関数の開始行から検索
- ファイルの1行目から検索
- カーソル行から空行を後方検索
そのため、実はグローバル変数がヒットしたりします。この辺りは、編集するソースコードのプログラミング言語によって良し悪しが異なるようです。
ちなみに、検索が始まると宣言箇所に移動しつつ、検索対象にする単語(変数)が全てハイライトされます。
Vimコマンド2. グローバル宣言を検索する
(ノーマルモード)
gD
だいたいソースコードの上方で宣言されるグローバル変数のグローバル宣言を検索します。
つまり、グローバル変数の上にカーソル場合は、その宣言位置に移動するわけです。といいつつ、こちらも実はファイルの1行目から検索の順に単語を検索するだけです。
そのため、実はローカル変数がヒットしたりします。この辺りは、編集するソースコードのプログラミング言語によって良し悪しが異なるようです。
こちらも検索が始まると宣言箇所に移動しつつ、検索対象にする単語(変数)が全てハイライトされます。
補足
この検索は、下記で紹介した単語検索に加えて、宣言箇所への移動が加わります。
動作に相性があるため、必ずしも便利とは言えません。
また、さらに進んで 1gd や 1gD なんかもあったりしますが、もはや使いどころさえよくわかりません…
とはいえ、もし相性の良いプログラミング言語のソースリーディングする場合には、とても役立ちますよね。また、ライブコーディングなどで披露すると、「おっ!」となるかもしれません。
ぜひ覚えておきたいものです。
このVimコマンドの補足情報
- 利用頻度
- 便利さ
- 覚え易さ
関連するVimヘルプ
Vim のヘルプでは下記のように解説されています。
ます。
gd
gd ローカル宣言を検索します。カーソルがローカル変数の上に
ある場合、その変数の宣言にジャンプします。はじめに、
Vim は現在の関数の開始行を検索します (“[[” コマンドと
同じ)。見つからなかった場合は、ファイルの 1 行目に移動
します。見つかった場合は、その場所から空行を後方検索し
ます。そして、”*” コマンドで検索するのと同じように、
キーワードを検索します。このとき、コメントと判断した行
は無視します(‘comments’ オプション参照)。
Note: Vim は文法を実際にチェックしているわけではなく、
キーワードにマッチするものを検索しているだけですので、
これがうまく動作するとは限りません。インクルードされて
いるファイル内も検索したい場合は、include-search で
列挙されているコマンドを使ってください。
このコマンドを実行した後、コマンドnで次のマッチを前
方検索できます。gD
gD グローバル宣言を検索します。ファイル内で定義されている
グローバル変数の上にカーソルがある場合、その宣言にジャ
ンプします。”gd” と同じですが、このコマンドは常に 1 行
目からキーワードを検索します。1gd
1gd “gd” と同じですが、現在のカーソル位置より前の {} ブ
ロック内を無視します。1gD
1gD “gD” と同じですが、現在のカーソル位置より前の {} ブ
ロック内を無視します。
こちらは、Vim上では下記のコマンドでヘルプを確認できます。
:help gd :help gD :help 1gd :help 1gD
ヘルプで検索するときは、通常は大文字小文字は識別されませんので、どちらでも構いません。
参考書籍
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